捧げたい- 捧げたい -
スティーブの家に泊まりに来ていた。
というより、勝手に上がり込んだという方が正確かもしれない。
俺がここに来た理由は単純だった。それは彼女に振られたからだ。切なさと寂しさと鬱憤を晴らすために、振られるたびにスティーブの家に上がり込んでは、もち込んだ酒を手酌しながらぐずっていた。
その度になんで別れたんだと律儀に聞いてくるので言ってやる。
“私以外の誰を見てるの?”
”バッキーは私が1番じゃないのね“
“私はこんなに愛してるのに”
「いい加減一途になれよバッキー、、、」
「俺はいつだって一途だぞっ」
「じゃあなんでそんなこと言われるんだ??」
「んなもんしらねーよ」
「本当かよ、、」
本当は知っている。別に浮気していた訳じゃない。“彼女”はいつでも1人だった。ただ、1番は彼女たちではなくスティーブだった。
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