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    尹 hydrogenH2o2_

    @hydrogenH2o2_

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    尹 hydrogenH2o2_

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    以前の続きを切りのいいところまでかけたので念のためupしときます。
    全くえっちくないです。

    ⚠️なんでも許せる人のみ⚠️
    ⚠️クリセバ、rps、差別表現、捏造注意

    独占欲俺たちが出会ったのは、紛れもなく某映画のオーディションだった。会場近くのコーヒーショップでその時間まで待機していた時だった。この辺は初めてで知らない店だったからメニューをしばらく睨んでいた。コーヒーにしようか、でもトイレに行きたくなるだろうか、でもここはコーヒーショップだぞ、コーヒーを買わなきゃ変だろ。他のも頼もうか、朝食はまだだしな、、、。
    「Hey !」
    「oops!」
    急に後ろから声をかけられて驚いてしまった。
    「sorry .驚かせちゃったね」
    「いや、大丈夫」
    「そんなにメニューと睨めっこしてどうしたんだい?もしかしてカロリーでも気にしてるのかい?」
    背が高く、筋肉ががっちりとついた男だった。低めの声で、上に向かって伸びた睫毛、空や海よりも澄んだ愛くるしい子犬のような瞳の奥には、赤黒い炎が燻っているよう。俺は瞬時に感じた。こいつはカースト上位の人間だと。
    「いや、別に気にしてないよ」
    「It‘s joking !
     悩んでるんだったら僕のオススメかどう!」
    「あぁ、ありがとう。」

    これ以上絡まれるのも面倒だと思い、大人しく従うことにした。

    「おねーさん!AサンドとCサンド、、、
     あ、あとポテトも!」

    受付の金髪でメイクが派手な刺青ゴリゴリのお姉さんは、この男にイチコロのようだ。俺には目もくれない。

    「そんで、ブラックコーヒーをそれぞれ
     ふたつずつお願いね!」
    『りょうかーい』

    受付のお姉さんは、
    やはり返事までチャラかった。

    それはそれはすごい量だった。
    流石に食い切れないだろう、、、。
    ってか、そんなに財布に入ってたっけ?
    今月の家賃も支払えないのに朝食だけでそんなに使うわけには行かない。

    「あの、」
    「ん?なに??
     やっぱりカロリー気にしてる?」
    「ちがっ、くて、あの、」
    「なに?」
    「今そんなに持ち合わせがないから、」
    「あぁ、そんなこと?僕が奢ってあげるから心配しなくてもいいよ」

    奢りか…
    生活費が浮くならまぁ、仕方ない。
    あとで適当にタッパーでも貰って持ち帰って家で食べよう…。

    呪文のような注文が終わり、いざ席へ

    男はにこにこ顔でついてきた。
    「なあ、今日何か予定があるのかい?」
    「あるけど、」
    「なに??」

    自分が役者やってるなんてこいつに言ったら茶化されそうで俺は素直にいうことができない。

    「まぁ、いろいろ?」
    「あ、今適当に返事したでしょ」
    「そういう貴方はどうなんですか」
    「あぁ、僕?
     んー内緒かな」

    結局お前もじゃないか((怒
    はぁ心底めんどくさいと思う。
    でも今この時間だけだし、あとで路地裏で殴られるくらいだったら我慢するしかないか。

    「はーいおまたせ♡」

    明らかに語尾に♡が付いたようなイントネーションでさっきまで受付をやっていたお姉さんが来た。気になって受付を見ると、内気そうなアジア系の子が立っていた。俺が予想するに、裏方が面倒で受付でケータイ弄ってる系お姉さんはこの男の席にこの食べ物を運ぶがために役職を(脅しで)手に入れたのだろう。紙ナプキンにはお姉さんがかいたであろう"call me"の文字と番号が書かれていた。

    だが一方、男はまるで女に興味が無いようにそれを無視して俺に視線を送ってくる。お姉さんは諦めたのか、俺の方を見て舌打ちし、まるで唾を吐くようにして裏の方にはけていった。

    焼きたてのパンは程よく焦げ、甘く芳ばしい香りが漂ってくる。レタスはみずみずしい緑色で数すくスライスされた玉ねぎはドレッシングを纏い輝いていた。はみ出るようなパストラミはサンドの部類では見たことの無い分厚さで、軽くかかっているソースは皿を超えてテーブルに垂れてきていた。もう一方はプリっとした海老がこれでもかというほど陳列され、角切りのアボカドはさらに溢れていた。(どちらがAサンドかは分からない)揚げたてのポテトはじゅうじゅうと音を立て、大小様々なそれらもトレーからはみ出すギリギリを保っていた。

    「OK 早速たべようか」

    番号が書かれた紙ナプキンを初めにクシャりと丸めて振り返らずに投げたと思えば、吸い込まれるようにゴミ箱へ入っていった。
    それを見ていたお姉さんは、八つ当たりするように受付の子を虐げていた。

    こいつは余りに能天気過ぎるのでは
    と思いながらも声に出すにはやめた。
    めんどくさいから極力話さないようにしたい。
    そう思ってはいても、男の方から絡んでくる。

    「君アメリカ出身」
    「違う」
    「へー、どこ」
    「遠いところ」
    「それってどこ」
    「秘密」

    こいつは白人主義者で差別でもしたくてこんなこと聞くのだろうか、
    今回以外で会うことは無い赤の他人に深くまで個人情報を探られたくもなかったため、適当にあしらう。

    男は大きい口で(AサンドかCサンドは分からないがパストラミの方を)頬張った。口からはソースが垂れ、ただでさえピンク色した男の唇がグロスを塗ったように色っぽくなった。目尻を垂らし、美味しそうに唸る姿を見ていると、思わず腹がなった。

    「笑笑
    遠慮しないで食べなよ笑笑」
    「あ、ありがとう」
    「どういたしまして〜」

    俺は先に海老の方を食べることにした。
    口に入れた瞬間に、アボカドの濃厚な風味が広がり、咀嚼と同時に海老のプリっとした歯ごたえとレタスのシャキシャキさが相まって、思わず目の前がチカチカした。

    「ここのサンド美味いでしょ、
     厨房にいる親父が結構こだわる人でさ、食材 
     も味もいいんだよね〜。アメリカにはない繊
     細な味っていうのこの前まではあんなウザい
     女いなかったんだけど、やっぱり流行るから
     人員ふやしたんかなー」

    確かに美味いし、またこの味を求めて来たいとも思うが、ちょっとお高めの金額やどうも始めの受付の印象とこの店に詳しい男のせいか、しばらくは来ないと思う。

    一生懸命頬張ったものの、コンディションも考えた結果、海老のサンドとポテト2切れしか食べきれず、コーヒーとその他はお持ち帰りすることにした。

    「じゃあ、俺はこれで。」

    あまり長居しても悪いと思い、オーディション会場へ向かうべく席を立つ。

    最初は驚いてビビってはいたが、こんなに美味しいサンドを紹介してくれたことに相応の感謝とこれからは会うことはないだろうと思い、軽く挨拶を交わして別れるつもりだったのに、


    「え、もう行くの」
     んじゃ僕も行こうかなー」

    そう言い放ち、
    男はニコニコ顔で俺の後をついてくる。

    なんでこうなってしまったんだ?
    そう思えど、声に出すことは出来なかった。
    下手すると俺の悪い勘が働いた場合、こいつの行き先は俺と同じだ。店を出てから、この男のファンやパパラッチと思しき者たちがカメラをこちらに向けているではないか!

    今更気付いたってもう遅い。
    俺が漫画や漫画原作の映画には疎かったために起きてしまった不祥事にただ頭を悩ませるしか出来なかった。

    「あ、あの?」
    「んーパパラッチなんか気にしなくていいよ」
    「いや、、でも、、、」
    「ほら、もう会場着くでしょ?」

    俺は強引の腕を引かれるような形で会場に入った。
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