眠り姫は狩人に囚われるトントンと何かを切る料理を作る音が部屋に響く。グツグツと鍋の沸騰する音から芳しい香りが部屋に広がり、今日はコンソメスープが食卓に上がると穹は知った。何かを焼く音が聞こえ、肉の焼ける音が響く。今日は豪勢だなと思うと、穹は男から与えられたタブレットでネットサーフィンを再び始めたのだ。
穹はこの男に監禁されている。穹は過去に星穹列車と言う宇宙を跨り旅する列車に乗り、ナナシビトとして星核に関する問題を解決する旅をしていた。そして星核の旅が一段落して人手を必要とせずとも何とかなる段階で列車を降り、降りた星で旅でもしながら定住しようと思っていた穹だったが、降りてその日にその場にサンポコースキが構えており、穹は驚くも目の前に現れるのは珍しく無いため文句を言おうとしたら、何か薬のような物を嗅がされて気づいたら現在の屋敷にいた。その時は何が起きたか理解出来なかったが、この寂しげな恋人が自分に害を与えることをすることは無いと思い、現在の生活に到る。
いつの間にか料理の音が聴こえなくなり、目の前に料理を置かれた事で穹は思考に浸っていた頭を目の前に戻した。
「さぁ!夕食ができましたよぉ〜ささ!食べましょう……穹?」
目の前に置かれた夕食は美味しそうなハンバーグと、皿に盛られた白米に、綺麗な器に盛られたコンソメスープ。今日は豪勢だと思いながらサンポに進められる儘に食べ始める。
サンポは穹が食べる様子を見てうっそりと恍惚な笑みを浮かべていた。穹の料理にはサンポの血が入っている。腕を切りポタリポタリと鍋に落ちる血は穹の胃袋に収まり、軈て穹の血肉となる。『あぁこんな幸せな事は他に無いだろう!』とサンポは内心興奮していた。
穹が口に含み咀嚼する度に、幸せそうに笑い飲み込んでいく。それを眺めるサンポは自分の食事を虚ろに食べながら穹に集中していた。穹が食べる度に、その腹にサンポの血が入る度に身体が血肉が歓喜していく。自分の一部が彼の身体に取り込まれる度に、湧き上がるどろどろとした昏い闇に飲み込まれるようにサンポは食事を飲み込むと穹へと問うた。
「美味しいですか……穹?」
穹は最後の一口を飲み込むと微笑み乍口をソースで汚しサンポの問いを返した。
「あぁ今日も凄く美味かったぞ。俺好みだ」
穹はサンポの料理を賞賛する。穹の口に合うようで幸せそうに食べ最後は美味しいと言う。初めて穹からリクエストを頼まれた時はサンポは歓喜し仕事を大成功させた。穹が美味しかったという度にサンポは幸せそうに、だが昏い笑みで笑う。
「えぇ…それなら良かったです」
サンポの血が入ると知らずに食べる穹にサンポは笑う。もう彼の身体を形成する物の一つにサンポの血が欠かせない事を検査して知っているのだ。穹はサンポ無しでは生きられない。サンポが居なくては身体を保てない。だから彼を閉じ込めるのは自分の責任なのだ、とサンポは内心自問自答した。
「穹、食後の運動をしましょう……」
穹の耳元で囁かれたサンポの掠れた低い声に、穹は俯き顔を染め頷くとサンポは穹の足に手を入れ姫抱きし寝室へと歩き出す。サンポの首に腕を回し抱きつく穹の耳に息を吹きかけ、ビクリと跳ねる身体にサンポは機嫌を良くすると、寝室の扉を開けそして閉めた。
辺りには静寂が響き、テーブルの上の皿が誰かいた事を語る。これからは二人だけの時間だ何人足りとも邪魔は出来ない。
サンポは穹の顔を見つめ顔を染め期待する穹に呟く。
「Myトントンと何かを切る料理を作る音が部屋に響く。グツグツと鍋の沸騰する音から芳しい香りが部屋に広がり、今日はコンソメスープが食卓に上がると穹は知った。何かを焼く音が聞こえ、肉の焼ける音が響く。今日は豪勢だなと思うと、穹は男から与えられたタブレットでネットサーフィンを再び始めたのだ。
穹はこの男に監禁されている。穹は過去に星穹列車と言う宇宙を跨り旅する列車に乗り、ナナシビトとして星核に関する問題を解決する旅をしていた。そして星核の旅が一段落して人手を必要とせずとも何とかなる段階で列車を降り、降りた星で旅でもしながら定住しようと思っていた穹だったが、降りてその日にその場にサンポコースキが構えており、穹は驚くも目の前に現れるのは珍しく無いため文句を言おうとしたら、何か薬のような物を嗅がされて気づいたら現在の屋敷にいた。その時は何が起きたか理解出来なかったが、この寂しげな恋人が自分に害を与えることをすることは無いと思い、現在の生活に到る。
いつの間にか料理の音が聴こえなくなり、目の前に料理を置かれた事で穹は思考に浸っていた頭を目の前に戻した。
「さぁ!夕食ができましたよぉ〜ささ!食べましょう……穹?」
目の前に置かれた夕食は美味しそうなハンバーグと、皿に盛られた白米に、綺麗な器に盛られたコンソメスープ。今日は豪勢だと思いながらサンポに進められる儘に食べ始める。
サンポは穹が食べる様子を見てうっそりと恍惚な笑みを浮かべていた。穹の料理にはサンポの血が入っている。腕を切りポタリポタリと鍋に落ちる血は穹の胃袋に収まり、軈て穹の血肉となる。『あぁこんな幸せな事は他に無いだろう!』とサンポは内心興奮していた。
穹が口に含み咀嚼する度に、幸せそうに笑い飲み込んでいく。それを眺めるサンポは自分の食事を虚ろに食べながら穹に集中していた。穹が食べる度に、その腹にサンポの血が入る度に身体が血肉が歓喜していく。自分の一部が彼の身体に取り込まれる度に、湧き上がるどろどろとした昏い闇に飲み込まれるようにサンポは食事を飲み込むと穹へと問うた。
「美味しいですか……穹?」
穹は最後の一口を飲み込むと微笑み乍口をソースで汚しサンポの問いを返した。
「あぁ今日も凄く美味かったぞ。俺好みだ」
穹はサンポの料理を賞賛する。穹の口に合うようで幸せそうに食べ最後は美味しいと言う。初めて穹からリクエストを頼まれた時はサンポは歓喜し仕事を大成功させた。穹が美味しかったという度にサンポは幸せそうに、だが昏い笑みで笑う。
「えぇ…それなら良かったです」
サンポの血が入ると知らずに食べる穹にサンポは笑う。もう彼の身体を形成する物の一つにサンポの血が欠かせない事を検査して知っているのだ。穹はサンポ無しでは生きられない。サンポが居なくては身体を保てない。だから彼を閉じ込めるのは自分の責任なのだ、とサンポは内心自問自答した。
「穹、食後の運動をしましょう……」
穹の耳元で囁かれたサンポの掠れた低い声に、穹は俯き顔を染め頷くとサンポは穹の足に手を入れ姫抱きし寝室へと歩き出す。サンポの首に腕を回し抱きつく穹の耳に息を吹きかけ、ビクリと跳ねる身体にサンポは機嫌を良くすると、寝室の扉を開けそして閉めた。
辺りには静寂が響き、テーブルの上の皿が誰かいた事を語る。これからは二人だけの時間だ何人足りとも邪魔は出来ない。
サンポは穹の顔を見つめ顔を染め期待する穹に呟く。
「My sleeping beauty, your awakening will never come
(僕の眠り姫貴方の目覚めは永遠に来ない)」
嗚呼世界はこうも輝いている。