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    mayomayo_2100

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    mayomayo_2100

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    おーばーじょいの小説らしいです ダムとメイドかな(覚えてない)

    むだい屋敷にメイドがやってきた。
    聞いた話によると、凄腕のメイドだそうだ。
    銀色の短い髪。
    インナーカラーはうすいピンク。
    そして、端には三つ編み。
    目は透き通るような、青。
    僕は思った。
    彼女なのかもしれない、と。


    はじめて出会うのは、それから一日もたたない、午後の事だった。
    「本日からこちらでお世話になるメイドです。」
    上品に、スカートの裾を指先で優しく摘みながら、目を瞑り、お辞儀をする彼女は。
    間違いなく
    絶対に。
    あの"彼女"だと確信した。

    「まるで機械みたいだね…」
    僕の横で、エレクラインはそう言う。
    エレクラインの腕には、いつも通り蝶が止まっていた。
    彼女の態度、口調、全てが淡々としていた。
    本当に機械のようだった。
    「ねぇ、ちょっと笑ってみてよ!」
    僕の後ろで、音楽さんはそう言った。
    それは期待なのか、皮肉なのか、なんなのかは表情から見て取れはしなかった。
    「笑う…ですか」
    「まず、口角をあげて、笑うの。」
    …イマイチ説明になっていない。
    「……こうですか…?」
    先程までの機械のようなおもがけはなかった。
    その顔は、幼い頃に見た…彼女と…全く同じだった。
    たちまち、周りから声が飛び交う。
    彼女の方はおどおどしている。
    …何も言葉がでない。
    ただただ、彼女の顔だけを、ずっと見ていた。

    「…あの…メイドさんっ?!」
    …舌を噛んでしまった。
    「はい、なんでしょうか」
    彼女は一切無駄のない動きで振り返る。
    「…僕の事…覚えてない…?」
    幼馴染…というよりかは腐れ縁なのかもしれない。
    それでも僕は、彼女と会えた事が嬉しかったから。
    らしくもなく、話しかけた。
    「…記憶のデータを調査しています」
    「や、やっぱ、わ、わかんないか」
    データなの?記憶…
    うろたえながら、へらへらと笑ってしまう。
    「…!思い出しました。すみません。奴隷の頃に記憶、思い出もろとも全てわすれてしまって…」
    なんか色々とおかしなことになってない?
    …まあいいか。
    すると、彼女はポケットから、懐中時計を取り出した。
    それは…僕があげたものだった。
    息を呑む。
    「…持ってて、くれたんだ、ね…」
    「…あの…っ」
    今度は彼女の方から、らしくない、裏返った声が出ていた。人間味があって、可愛らしいと思った。
    「……覚えてますよね…。貴方が言ったこと…」
    …言ったこと…?
    その辺の記憶が曖昧だ。ぼやけていて、はっきりしない。
    「…もしまた出会えて、その時にこの時計を持ってたら」
    …?!
    思い出した。完全に過去の忌まわしき黒歴史として心の底に秘めていた、アレ。
    「……その時は…結婚しようね…って…」
    僕はその頃、彼女の事が好きだった。
    …いや、訂正。僕は彼女が今も好きだ。
    彼女が引っ越す時、僕は悲しくて、何か証が欲しかった。
    僕らのことを繋ぐ、なにか。
    忘れないようにする、なにかを。
    「……おっ…おお覚えてたんだ…ね…ぇっ…」
    恥ずかしすぎる。
    完全に決めてしまっている。
    「…ど、どうしますか…」
    …もうここまできたら戻れない気がしてきた。
    「…失礼します」
    彼女は短くそういうと、僕に抱きついた。
    前より大きくなったな、と感じた。
    でも身長は僕の方が結構高い。
    そして、女の子に触れたのは何年ぶりかの僕は、その匂いと感触に、みっともなく慌てていた。
    「…あのッ?!!」
    「再会したからには、これからゆっくり、考えればいいと思います。どうでしょうか。」
    その声はかぼそく、静かに流れるせせらぎのようで。
    頭がおかしくなるぐらい、愛おしい。
    流石にいきなりキスとか嫌だろうな…。
    「…手始めに一緒にお茶でも飲む…?」
    「承知いたしました。準備してきます。」
    そう言って彼女は廊下をかけていった。
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