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    soryu2soul

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    伏乙が遠征で同じ部屋に泊まることになったお話です。途中から伏黒視点になります。多分付き合ってる。自カプ設定あり。なんでもいい人向け。

    乙骨の特級案件任務にサポート役で同行することになった伏黒。遠征任務のためホテルで宿泊することに。補助監督の方に案内されたホテルがハイグレードホテルで伏黒は驚き。部屋は2人で泊まるには広いすぎるエグゼクティブルーム。どうやら危険な任務ゆえ特級術師にはこういったハイグレードなホテルの一室が当てられることもあるらしい。乙骨は高級ホテルの広い部屋に慣れなくてビジネスホテルとかにしてくださいというがなかなか聞き入れてもらえないらしい。これでも妥協してもらってるんだよ。と苦笑い。最初はスイートルームとかだったらしく流石に落ち着けなくて休めないからとランクを下げてもらってるそう。

    広い部屋に乙骨先輩と2人きりで落ち着かない伏黒。


    さて、今からどうしたものかと考えていると、任務終わりで疲れてるだろうし先に風呂入っていいよという先輩。でも先輩の方が疲れてるでしょ、なら先に先輩が、と言うが先に入って、と聞かない先輩。すでに眠そうな顔をしている。
    俺が風呂上がるまでに絶対寝てるでしょ先輩…と思いつつ、わかりましたと先に風呂に入り先輩を待たせちゃいけないとシャワーで汚れた全身を洗い、持ってきた部屋着に着替え、濡れた髪をタオルで水が滴らない程度にさっと乾かしながらお待たせしましたと部屋に戻ると。

    スースーという寝息と共に倒れこむようにベッドに埋まり眠っている先輩。

    ああ、やっぱり。この人俺が風呂行った瞬間倒れたな、と苦笑いする。どうせ寝るつもりなら着替えて、ちゃんと布団被って眠ればいいものの、疲れた先輩はいつも制服の上着すら脱がずベッドにそのままダイブして眠っている。下手すれば刀の入ったバッグすら取らずに寝ている。
    だから先に風呂入ればよかったのにと思いつつそのままにして風邪なんかひかれるといけないし、布団を掛けようにもその布団に覆いかぶさって寝ているので動いてもらうしかない。気持ちよさそうに眠る先輩を起こすのは気が引けるがそっと先輩に近づき肩を揺らして声をかける。

    「先輩、風呂あがりましたよ。こんな姿で寝ないでください…先輩!」

    「 …………スー、スー 」

    返ってくるのは寝息だけ。そうだった、先輩って疲れてる時に眠ったら何度呼んでも全然起きないんだったな。

    どうしたものかとハァーとため息をついたその時。

    ガバッと腕を掴まれ引き込まれるようにベッドに倒れこむ。なにが起きたのか理解できず頭が真っ白になる。目の前を見るとスヤスヤ眠る先輩の顔。上半身は先輩の腕が絡まり動けない。もしかして抱かれてる?
    突然の出来事に情報が追いつかず頭がぐるぐるする。急激にあがる心拍数。先輩が目と鼻の先にいるなんて。巡る思考の中思い出す。ああ、そういえば先輩、眠る時よく抱き枕持って眠ってたな。ということは俺、抱き枕だと思われてる?ドキドキしながら先輩の顔を覗いてみる。気持ちよさそうに眠る先輩の額には少し汗が滲んでいる。制服も脱がずに寝てるから暑かったのだろうか。室温の調整をしてやりたいが動くに動けない。俺を抱いたまま起きる気配のない先輩。相当疲れていたのだろう。

    任務、結局1人で済ませちゃったもんな。一応サポート役という形で特級案件の任務について行ったものの、先輩の強さは想像を超えるくらい格上だった。俺がいてもいなくても関係ない、素早く隙のない動きでどんどん敵を仕留めていく。たった1人で任務を遂行してしまった。普段の柔らかで優しげな先輩からは想像もできない、狂気的な戦闘能力。見つめられるだけで飲み込まれてしまいそうなほど深く、暗い漆黒の瞳。でも戦闘が終わるとまたいつもの優しい先輩にコロッと戻る。そんな先輩の二面性に惹かれて好きになったんだっけ。
    規則正しく動く体とこちらにまで届く吐息、至近距離だから感じる先輩の匂いに安心し、ついウトウトしてしまう。スヤスヤ眠る先輩の額の汗を持っていたタオルでそっと拭い、そのまま吸い込まれるように軽くキスをする。

    んぅ…とうなるような声が聞こえ先輩の眉間に皺が寄るのがわかる。そんなに気に入らなかったか?と思い自分の頭に手をやるとすぐに理由がわかった。
    ヒヤリと伝わる感触。そういえば髪、ちゃんと乾かしてない!疲れているだろう先輩に風呂に入って欲しかったから風呂からあがってすぐに先輩に声をかけたらこうなってしまったのだ。中途半端に濡れた髪は時間が経って少し冷たくなっている。おそらくその髪が顔に当たってヒヤッとした感触に違和感を感じてしまったのだろう。ようやく目を覚ます先輩。

    「あれ…おはよう。伏黒くん」

    「…おはよう。ではないです、先輩」

    寝ぼけながら眠そうな目を擦り、今さっきまで抱いていた俺のことなど気にもとめず起き上がる。

    「風呂、とっくにあがりましたよ。というか寝るならちゃんと布団被って寝てください。いつも言ってますよね?風邪ひきますよ」

    「うん、ごめんね」

    まだ寝ぼけてるのか、全く反省する気のない声色。

    「それで、寝ますか?風呂入りますか?」

    「う〜ん、お風呂入ろうかな」

    「わかりました。ちゃんと入って、ちゃんと髪乾かしてから寝ましょう。絶対に風呂で寝ないでくださいよ」

    「うん、大丈夫〜」

    ちゃんと聞いてるのかすらよくわからないような声でさらっと流されて、欠伸しながら風呂場へ歩いていく先輩。普段はすごく真面目で几帳面でしっかり者で頼りになる先輩なのに、本当に眠い時の先輩は何故こんなにもズボラなのか。

    やっぱり俺がちゃんと支えないとな。

    濡れた髪に高揚した頭も冷やされ、ハァーと吐く2度目のため息が広く寂しい空間に広がった。
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