神を捨てた日 開かずのガンホルダーに眠るものを、グール=ヴールは一度だけ見たことがあった。
仲間もまだ少なく、グール=ヴールが今よりずっと人目を避け、誰かの側に寄ることすら嫌っていた昔の話だ。戦いの最中、レノが吹き飛ばされた拍子に反動でガンホルダーの金具が壊れてしまい、中のものを吐き出したのだ。
黄金の銃だった。なんとも歪な形をしていた。もともと大きさがあっていなかったのか、ガンホルダーからはグリップすらでない小ささだった。レノがそれを拾い上げたときの表情からは、いつも以上に感情が読み取れなかった。
結局、その正体がわかるまで、口にすることすら憚れるような見えない壁に阻まれ続けた。ガンホルダーがいつも、グール=ヴールを拒んでいるように思えた。
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