【アスカガ】首都、オロファト郊外に構えるアスハの本邸がある敷地は、本館の他に別館や庭園なども兼ね揃えており、とても広い。
敷地をぐるりと取り囲む塀に沿って、早朝のロードワークを終えたカガリは、熱めのシャワーを浴びてさっぱりした後、バスローブを羽織って腰紐を緩く縛った。
濡れた髪を無造作に拭いながら寝室に続く扉を開けると、そこには先ほどまで居なかったはずの人物が、机の上に置いてあった封筒を手に取っている所だった。
扉の開く気配に振り返ったアスランは「ただいま」と、柔らかく目尻を下げる。
ザフトとの会合でプラントに赴いていたアスランは、予定では今日の午前中にはオーブに帰国する手筈になっていた。
「おかえり、今帰ってきたのか?」
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