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    moce_gnsn

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    moce_gnsn

    MOURNING恋仲の魈空のとある日の話
    だいぶ前に書いてたものかつめちゃくちゃ書きかけですが、供養させてください
    R15くらいです
    「それで、モンドの酒場でバーテンダーをすることになったんだ。あっバーテンダーっていうのは…」

    一日の旅の終わりに、空は時たま望舒旅館の最上階──魈の部屋へ帰ってくる。二人で並んだベッドの中で、空が話す旅の物語を魈はじっと聞いていた。魈はその時間がいっとうお気に入りだった。話の内容はよく分からないけれど、空の声が耳に届くことと、言葉が紡がれていく彼の唇を見ることが好きなのだ。

    数ヶ月前、二人は恋仲になり、こうしてたまに二人きりで過ごす時間を設けるようになった。並んで眠るだけの日もあれば、肌を重ねる時もあったが、そのどれもがかけがえのないひとときであることに違いは無い。
    人の気持ちに疎い魈にとって、空のくれる「好き」と同じものを自分が返せているのか、未だ分からない。それでも、彼が傍にいてくれるととてもあたたかい気持ちになる。長年殺戮に明け暮れた魈にとって、このような感覚は久しぶりだった。この時間を大切にしたい、もっと彼を見ていたい。強欲ながら、手を伸ばしてしまう自分に気が付いたのはいつのことだったか。
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