「……キスしてぇんだけど」
「わっウンちょお待って、ぎゃっ近い近い」
「ンだよイヤなのかよ」
「んなわけないやんアレや心の準備が…おまえのパーソナルスペースバフがやばいねん俺は今動悸息切れ目のかすみを受けとるわ」
「デバフじゃねぇか」
「深呼吸、深呼吸するから…」
「そんなにかよ…」
「おまえな、こんなん言うんも情けないけどほんまに俺ほぼ塔におったからこの歳でちゅーもしたことないねん!左馬刻はそりゃモテるやろうから慣れとるかも知れんけど!!」
「……」
「ほらぁ黙るやろ!?(泣)」
「……簓ァ、俺言ったよな?ガキん時におまえに結婚してくれって」
「おん!?そっそれがなんや…」
「おまえにプロポーズしてんのに他の奴に手ぇ出すわけねえだろ」
「お……ん??」
「俺も誰とも経験ねぇよ。それともあった方が良かったか?確かに要領分かってた方がいいのかもしんねーけど」
「いやっいやいやその、それはそれで、大丈夫やから…何が大丈夫か分からんけど大丈夫やから…!」
「茹で蛸になってんぞ顔」
「さっ左馬刻が予想外の事言うからやん…!」
「あーでもいっこ謝んねえとだわ」
「え!?な、なんや…?」
「おまえさっきちゅーしたことねぇっつったけどよ」
「せ、せやな……」
「……」
「なに!?こわいねんけど!」
「その、ガキん時に……俺が勝手にした」
「……へ?」
「だから、寝てる簓にキスしたんだわ……昔」
「……ほへ…」
「……勝手に奪って悪い」
「いや……ええけど、うん……そ、そうなんや……」
「……」
「……」
「つーわけでもう初回は済ませてんだからいいだろ、オラ顔上げろや」
「は!?いやいや俺それ意識無いやんカウント1かも怪しいやろが!それにそんなん聞いてもうたら俺の顔が無理や!!」
「はぁ?おまえの顔が無理だぁ?」
「おまえからキス貰ってたとか嬉しなってもうて顔がゆがむ!真顔になられへん!」
「テメェはいっつもニヤケ顔なんだから今更気にしねぇよ、ほら」
「さらっと言うたな……わ…分かった。分かったから…や、優しくしてな…?」