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    ゆきや

    @ReveDuCiel
    字も絵もかきたいお年頃。SH/アル戦/舞台/FGO←イマココ

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    POIPOI 24

    ゆきや

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    ポイピクテキスト投稿テストを兼ねつつ、途中まで書いてた髭バソSSを供養。
    パラケルススの怪しい薬のせいで嘘がつけなくなったバソのお話でした。
    今見直したら、1部あたりの設定だったみたい。

    ##FGO
    ##髭バソ

    レクリエーションルームで「花札」なるカードゲームをマスターに教わったのが三時間前。
     慣れないゲームとはいえ、あのあどけないマスターに海賊サーヴァントたちが次から次へと負けまくったのが二時間前。
     次こそはと再戦を誓いつつ廊下で別れようとしたその時、手を振ろうと振り返ったマスターが反対側から歩いてきたパラケルススとぶつかったのが一時間前。
     マスターに一番近い位置にいたバーソロミューがマスターと入れ替わるようにして庇い、謎の液体を頭から被って昏倒したために、その場で唯一の男手という理由でデカい図体を技術部まで担がされ、やっと分析結果が出たのが、五分前。
    「……で、早い話が?」
    「思ってることがそのまま口から出るようになっちゃったみたいだね」
     技術局特別名誉顧問は身も蓋もなく述べてからからと笑った。
    「パラケルススが言うには『嘘を見破る薬』を作ったつもりでいたらしいのだけど、狙い通りの効果は得られなかったようだね。ただ、それに類する効果はあったようだ。『嘘がつけない薬』になっちゃったみたい。彼は頭から被った際に誤って少量ほど摂取してしまったのだろう。薬によって霊基が少し書き換えられたせいで昏倒したんだ。ま、強制シャットダウンみたいなものかな。基本データはオール・グリーン。もう元気だよ、ほらあの通り」
     ダ・ヴィンチ女史が視線で示した先を見やると、けろりとした顔をしてバーソロミューが技術部の奥から姿を現した。技術部の面々に手を挙げて何事か話している。マスターが慌てて駆け寄っていくと、それに気付いたバーソロミューは相好を崩し両手を広げて受け止めた。
     先程まで術式が書き殴られた台の上で死んだように横たわっていた男は、女史の言う通り既に何事もなかったかのようである。もしもの時の対策として防御結界を幾重にも張られた地下深くのラボに隔離・観察されていたとは思えない。その物々しさに目覚めた時はさぞ驚いたことだろう。
    「ご、ごめんね、バーソロミュー、私がよそ見なんてしたから……」
    「君が無事ならそれで良いんだよ、マスター。何、薬の効果とやらもたいしたことはないようだし、気にしないでくれたまえ。レディがこんなに表情を曇らせていることのほうが大問題だ」
     いつもの通りつるつると口から滑るように出てくる小っ恥ずかしいセリフの数々は健在らしい。『嘘を見破る薬』改め『嘘がつけない薬』を飲んだらしいが、アレは常日頃から本気で言っていたのかと呆れるような、いっそ感心するような思いだった。
    「バーソロミュー ……本当に、あり」
    「何ならこの間プレゼントしたメカクレウィッグを被ってくれたらもっと元気になるよ!」
     輝かんばかりの笑顔で空気も読まずにそう言い放ったバーソロミューに、少し感激しかけていたマスターがガックリと項垂れた。
    「なるほどね、具体的にはああなるみたい」
    「説明以上にわかりやすいでつね」
     遠巻きから眺めていた女史と拙者が思わず頷いたのは言うまでもない。

    …………続くはずだった!
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