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    七海紗綾

    @minana0730

    とっくの昔に成人済。
    何十年かぶりにお絵描きとか物書きしています。
    どちらも今でも勉強中。

    この世界に私を呼び戻した戻したツイステすごい。(何目線?)

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    七海紗綾

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    ※ラギ監、NRC卒業後、同棲設定
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    一緒にお風呂に入りたいラギ監シリーズ02「ラギー先輩~。お風呂上がりましたよ~。」

    いつもならここで、声が返ってくるはず…なのに。
    しーんと静まりかえっていた。
    そしてそこには。

    「ラギー先輩が…寝てる…。」

    ソファで座ったまま寝ているラギー先輩がいた。



    今日も今日とて、一緒にお風呂に入りたがるラギー先輩を振り払い、私は先にお風呂に入った。
    毎回わざととは分かっているのだが、しゅんと耳を垂れ下げるラギー先輩を見ると、何だか申し訳ない気持ちになる…。
    でも、恥ずかしいものは、恥ずかしい。


    私とラギー先輩は、NRC在学中からお付き合いを始めて、私が卒業すると同時に一緒に暮らし始めた。
    それからしばらく経つけど、ほとんどラギー先輩の方が先に目が覚めているし、寝る時は子どもみたいに寝かしつけられている(何度か抗ってみたけど失敗している)から、寝顔はあまり見たことがない。
    聞けば、眠りが浅いのだという。
    本当は私の前だけでもいいから、ぐっすり眠って欲しいな…なんて思うのだけど。

    だから今のこの状況は、すごく珍しい。

    起こさないようにそっと近づいて隣に座り、顔をのぞきこむ。
    出会った頃よりもずっと大人の男の人って顔立ちになって…どんどんかっこよくなって。
    好きだなぁって気持ちがあふれてくる。
    とはいえ、今みたいにすやすやと寝息を立てて眠っているその顔は、なんだかかわいらしくて。
    自然と笑みがこぼれてしまう。

    …って!いけないいけない!

    「ラギー先輩。起きてくださーい。」

    こんなところで寝ていたら、風邪をひいてしまう。
    確か試合も近いと言っていたから、そんなことになったら大変だ。
    そう思って呼びかけてみるけど…返事はなく。
    相変わらずすやすやと眠っている。
    そればかりか、時おりむにゃむにゃと何かつぶやいていて。

    か、かわいいっ…!
    って!負けるな!私!!

    首をぶんぶん振ってから、拳を握って自分を奮い立たせる。
    と、ふと机の上に目がいった。

    おそらく仕事の書類だろう。
    マジフトの選手といっても、試合や練習以外の時は、普通に仕事をしている。
    いわゆるデスクワークというやつで、苦手とか言っていたっけ。
    たまにこうやって家でも仕事をしているけれど…真剣なその表情がものすごくかっこよくて見とれてしまう。
    …なんてのは本人には内緒だ。

    最近は遅くまでマジフトの練習もして、こうやって仕事も持ち帰ってきていて。
    きっと疲れがたまっていたんだろう。
    だから珍しく、こんなところで寝てしまったのかと思うと…起こすのはかわいそう、かな。

    「ラギー…先輩…。」

    いつもがんばっているラギー先輩を少しでも癒やせるように。
    そう思ったら、自然と手が伸びていて、ラギー先輩の頭を撫でていた。
    ふわふわの髪が気持ちいい。
    寝てるはずなのに、大きな耳がぴるぴるっと動くのも…なんだかかわいい。
    あぁ…大好きだなぁ~なんて。
    あれ?私の方が癒やされてる??

    ん?というか、耳、動いて…。

    「…っ!!」
    「もっと撫でてくれていいんスよ。」

    もしかして、と思ったときにはすでに遅くて、ラギー先輩に腕を捕まれていた。
    ばちっとキレイな青い瞳と視線が合う。

    「ラギー先輩っ、起きてたんですか?!」
    「んー、途中まで寝てたッスよ。」
    「…ちなみに、どこから起きて?」
    「んー、お風呂上がりましたよ~のあたりッス。」
    「それ最初からですよね?!」
    「シシシッ。そーなんスか?寝てたから分からないッスね~。」

    あー今!すごい!悪い顔してる!!
    その顔も、好きだけど!だけど!

    「そんなことより。もっと撫でて。」
    「え?」
    「ユウくんに撫でられると、癒やされるから。」

    そう言ってラギー先輩は、私の手を自分の頭に持っていく。
    ちょっとためらったけど…ゆっくりと撫でると、ラギー先輩の喉が鳴った。
    なんだかネコみたいだ。


    「ん。ありがと。大分癒された。」
    「い、いえ…こちらこそ。」

    しばらく撫でていると、声をかけられて手を離した。
    その言葉通り、ラギー先輩の表情がやわらかくなっている気がする。
    少しでも癒やせたのなら嬉しいな。
    …なんて思っていると。

    「ね、やっぱりもうちょっと癒して欲しいんスけど。」
    「え?あ…っ!!」

    とんっと体を押されたと思ったら、次の瞬間には目の前にラギー先輩の顔と、その向こうに天井が見えて。

    「ラギー先輩、明日も早いんじゃ…。」
    「だからッスよ。」
    「まっ、待って…ラギー先輩っ」
    「こーら。こういう時は、なんて呼ぶんだっけ?…ユウ?」

    あ、また…悪い顔してる。
    さっきとは違う…少しいじわるな顔。
    職場でも部署は違うけれど先輩後輩だからと、未だに「先輩」と呼ぶことを許されてはいる。
    でも、こういう…甘い雰囲気になった時は…。

    「ラギー…さ、ん…。」
    「シシシッ。そろそろ慣れて欲しいんスけど。」
    「それは…っ!」

    無理です、と言うことが分かっていたかのように。
    ラギー…さんは私の頬に手を当てて、親指でそっと唇をなぞる。
    逸らそうとした視線も、とろけた瞳に捕らわれて。
    ちゅっと優しい音とともに、呼吸も奪われた。

    「ね、ユウ…もう1回呼んで?」
    「っ……ラギー…さん…。」
    「もういっかい。」
    「もぅ!…っん。」

    啄むようにしていた口づけが、だんだん深くなっていく。
    本当にこれで癒やされてくれるのか、なんて分からないけど。
    だんだん何も考えられなくなって、私はラギーさんの首に腕を回した。
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