一緒にお風呂に入りたいラギ監シリーズ16「おやすみなさい。ラギー先輩。」
「…おやすみ。ユウくん。」
ユウくんはそう言って、嬉しそうに笑いかけると、オレにぎゅっと抱きついてくる。
オレが頭を撫でると、頬をすり寄せてきて。
…かわいい。
すんごくかわいい…んスけど。
当たってるんスよ。
その…む、胸が。
「はぁ…。」
オレのため息なんてもう聞こえていないだろう。
なんて言ったってユウくんはオレが抱きしめて頭を撫でるとすぐに寝てしまう。
「こんなんじゃガブッと食われちまうッスよ。」
安心しきった寝顔につぶやいて、柔らかな頬に甘噛みついでに口づける。
当然起きるわけもなく、そればかりかふにゃりと笑うだけで。
「あー…もぅ…。」
これ以上は自分の首をしめるだけだろうと思い、もう一度抱き寄せた。
すぅすぅという寝息がより近くに聞こえて、少しだけユウくんの腕に力が入る。
また体が密着する。
だから…。
それだけじゃない。
さっき噛みついた頬だって、何だって。
とにかくどこもかしこも柔らかくて、甘いし…いい匂いがする。
香水なんて…つけてるわけないか。
初めてこうやって一緒に寝た時は、めちゃくちゃ警戒してたのに。
それがウソみたいに、今ではユウくんの方から抱きついてくる。
かわいいし…オレがそうさせたんスけど…。
こんなに破壊力があるなんて聞いてないッス。
「はぁ…寝よ…。」
一種の空腹を感じながら、オレは無理やり寝ようと決める。
けど…これくらいは許して欲しいッス。
カプリっ…
「…んっ。」
目の前にあったユウくんの小さな耳にかぶりつく。
ぴくっとユウくんの体が反応したのすら、かわいくて。
ペロリとなめると、艶めかしい声をあげる。
…さっきよりも空腹感が増した気がする。
「おやすみ、ユウくん…。」
そろそろ限界かもしれないッスね。
この空腹を満たすには…。
腕の中ですやすや眠る小さな体を抱きしめて、首筋に顔を寄せる。
甘い香りで肺を満たして、オレは空腹を紛らわせ、眠りについた。