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    七海紗綾

    @minana0730

    とっくの昔に成人済。
    何十年かぶりにお絵描きとか物書きしています。
    どちらも今でも勉強中。

    この世界に私を呼び戻した戻したツイステすごい。(何目線?)

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    七海紗綾

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    ※エー監
    ※ホワイトデー

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    #エー監
    aStudent
    ##ツイステ
    ##エー監

    みんなに見守られているエー監シリーズ02ユウがいた世界では、バレンタインデーというものがあるらしい。
    なんでも、想いを寄せている人にチョコレートを渡して気持ちを伝える日、だそうだ。
    んで、もらった人はその一ヶ月後。ホワイトデーにお返しをする。

    先月のバレンタインデーには、ユウから手作りのチョコレートをもらった。
    ていねいにラッピングされたその中から出てきたのは、ハートのチョコレート。

    「えっと…エースには私のハートをあげたいな~…なんて。」

    ユウは真っ赤な顔をしながらつぶやいて、はにかんだように笑う。
    それがめちゃくちゃかわいくて。
    オレが口に含んでいたチョコレートをのどにつまらせたことは、いい思い出だ。


    んで、今日はホワイトデー。
    正直この一ヶ月、この日のことで頭がいっぱいだった。
    その結果、考えたのが。

    「まずはオレの手に、タネも仕掛けもないことを確認して。」
    「はぁーい。」

    前々から、オレの手品が見てみたいと言っていたことを思い出し、オレはユウに手品をみせることにした。
    ユウは指示通り、オレの手に触って何も持っていないことを確認する。
    両手でオレの手をとって、ふにふにと感触を確かめたり、つついてみたり…裏返してみたり、指の間も調べてみたり。
    あ、ちなみに。他の人にはこんなことさせないから。
    ユウはオレの彼女だから、トクベツ。

    「っていうか、オレ以外にも同じように言われたら…こうやってベタベタ触るわけ?」
    「えっ?!…言われたことないから…分かんないけど…。」
    「ふーん。…ま、いいや。もう納得した?」
    「うん!大丈夫。何も持ってない。」

    ユウはオレから手を離すと、期待のまなざしを向けてくる。
    対してオレは、触られた手が熱くて…ドキドキして。
    はぁ…調子狂うわ。
    けど、ここで手品を失敗したらかっこ悪いし。
    さっと頭を切り替える。

    「ごほんっ。ではここに、1枚の真っ白な紙があります。これにハートを描いて…。」
    「…エース、ハート描くの、上手だね。」
    「まぁね。毎朝描いてるし。」

    あ、そっか。とばかりにユウはポンっと手を叩く。
    多分、オレがハートを描くのが上手いのだとしたら…それは今日のために練習したからなんだけど。
    それは黙っておくことにする。

    「んで、この紙を丸めて…力を込める、と…。」
    「あっ、え?!なくなった…!」

    オレが何も持っていない手のひらを見せると、ユウは驚いて目をぱちくりさせる。
    それから、まわりとキョロキョロと見回して。

    「ど、どこ?どこ行っちゃったの?」
    「ふっふっふ。それは…。」

    指をパチンっと鳴らして、オレはユウの方を指差す。
    ユウは首をかしげてこちらを見てくる。

    「ユウ。ポケットの中、見てみて。」
    「私のポケット?…あっ!」

    ガサゴソとユウが制服のポケットをあさると、そこから丸まった紙が出てくる。
    ゆっくりとユウが中を開くと。

    「ハート…これ、さっきの!」
    「はーい、大成功~。…びっくりした?」

    得意気にオレが言うと、ユウは目をキラキラと輝かせる。
    なんか子どもみたいだな。

    「すごーい!すごいよエース!これどうやったの?」
    「ははっ。それはナーイショ。」

    ケチー!と言いながらも、ユウはもう一度紙を見る。
    描かれているハートを指でなぞって、何かを確かめた後。

    「エース、この紙、もらっていい?」
    「別にいいけど。…それよりもっといいものやるよ。胸ポケット、見てみて。」
    「ん?胸ポケット??」

    ユウが不思議な顔をしながら、胸ポケットを探る。
    中から出てきたのは。

    「ハートの…チョコレート…?」
    「そ。それやるよ。」

    オレのハート、ね。

    オレの言葉に、ユウがみるみるうちに赤くなる。
    手品をみせるのもお返しのひとつだけど。
    実は本命は、こっち。

    「…ちなみに返品不可だから。」

    トレイ先輩に教えてもらって、何度も失敗したけど…やっとできた一粒。
    ちょっと不格好だけど…気持ちはこめた。

    「ふふっ。絶対返さないよ?」

    大事そうに両手でオレのチョコを包み、ユウはにっこりと笑う。

    「そうして。…オレもユウからもらったのは返さないし。むしろ追加で欲しいくらい。」
    「あれ?エース、チョコレート好きなの?それならいつでも作るけど。」
    「そーじゃなくて。…こーゆーこと。」

    抱き寄せてキスをすれば、ユウも意味が分かったみたいで。

    「…ほどほどでお願いします。」

    と顔を隠してしまった。

    ほどほどなんて、できるわけないんだけど。
    ま、いっか。ちょっとずつ、ね。
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