うつつのゆめ部屋の扉を閉めて、ふうっと息を吐く。
「アイツには悪いことしちゃったわね…」
トカゲと別れて家に入った後、案の定見つかった。
「美月、おめえこんな時間までどこに行ってやがった」
「…ただいま、ちょっと買い物に出てただけ」
「そんな格好でか?……まあ良い」
組長の威圧感にそれはそれは竦み上がってたけど、仕様がなかった。これも全てこの男のため。
「ちょっとね…もう帰ったんだし良いでしょ?」
「………蜥蜴はどうした」
びくりと隣の若衆が肩を揺らしたのが見える。…はあ、面倒くさい
「トカゲには内緒、あいつ…そろそろ誕生日でしょ?だからトカゲが欲しがってそうな物を聞いてただけ」
「………はあ、わあったわあった…次は気をつけろよ」
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