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    yuraihaokidokei

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    yuraihaokidokei

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    ボツになった貘梶+マルコの小説の一部です

    「じゃあ僕、先風呂入って来ますね」
    「貘さんも一緒に入っちゃおうかな〜」
    「それならマルコも一緒に入る。最近、マルコは知ってしまった……気づかないと思っていたか」
    「え、な、何が?」
     心当たりの多さ故に不覚にも動揺してしまった。梶も似たりよったりの反応で、目を逸らしたまま頭を抱えている。
    「だっだから言ったじゃないですか!部屋は別でも、こっ、声とかその……っ」
    「そっ、それは梶ちゃんが悪……くはなくて俺が悪いけど、でも梶ちゃんが」
    「二人とも、たまにマルコを仲間外れにしてはこっそりトレーニングをしているのよ!大体、一週間に二回か三回……朝、カジの部屋から貘兄ちゃんが出てきたり、貘兄ちゃんの部屋からカジが出てきたり、そしてカギまで掛けている。仲間外れはよくない、これは決定事項よ」
    「そうそう、トレーニングねトレーニング。ほら、梶ちゃんは梶ちゃんで自分の身は自分で守れるようになりたいって言ってるし、俺もリハビリがあるからね。一人より二人の方がトレーニングも頑張れるから」
    「ごめんなマルコ。たぶん、僕たちがやってるトレーニングはマルコには、えーっとほら、メニューが違うから。見られると恥ずかしくて」
    「……そういうことなら仕方ない。マルコは、二人の気持ちを尊重するよ」
     シュンとしているマルコの寂しげな表情を見て、斑目と梶は罪悪感でいっぱいになる。しかし、"トレーニング"が見られてしまった時のそれよりはずっとマシだろうと二人は思った。教えるにはまだ早いというのが梶との共通認識だ。
    「……ちなみにマルコ、その"トレーニング"してるときって俺の部屋とか梶ちゃんの部屋から声とか聞こえてたりしないよね?もし聞こえてたりしたらそれは身体かったい梶ちゃんの背中押したりしてる音なんだけど」
    「そうそう貘さんがスパルタで、できないって言ってるのにできるできるって」
    「トレーニング、梶の部屋はマルコの寝る場所からスペースを一つ挟んでいるから少し聞こえる……貘兄ちゃんの部屋、離れてるから聞こえない。朝、カジが貘兄ちゃんの部屋から出てきたときに気づくよ。でも、マルコはすぐ寝てしまうから、梶の部屋でトレーニングをしていてもカップラーメンはできない」
    「わかった、ありがとうマルコ。気をつけるね」
    「ごめんなマルコ。……これは質問なんだけど、微妙に聞こえてた声っていうのは、どんな……?あ、えっとカップラーメンができる前までの間で何が聞こえてたかを教えてくれたらと思って」
    「うーむ、眠かったからわたあめみたいな記憶ね……あ、『やだ』『できない』『無理』は聞こえた。カジ、マルコは思う。やっぱりトレーニングするならもっと頑張った方がいいのよ。強くなりたいなら逃げ出しちゃダメ。今度、マルコと一緒に走りに行くのよ!いいね?」
     そうして二人は、夜に運動する気が起きないほど走り込みをすることになったのだった。
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