お薬増やしてくれますか「またか」と煉獄は心配を通り越して呆れてしまった。
「君、明日退院だろう。早く病室に戻りなさい」
見慣れたピンク色の頭を軽く叩く。
「いだ…っもっと優しくしてくれよっ杏寿郎!まだ腕も痛いのに!!」
「あたりまえだろう…」
今までは、打ち身やすり傷ぐらいの怪我だったのに。
よもや…骨折で入院とは……。
「…これに懲りたらもう喧嘩なんかするんじゃない」
「杏寿郎が優しく手当てしてくれたらすぐ治る」
「いい加減にしなさい。腕の骨折だけでは済まなくなるぞ!」
「……そんなに俺が心配か?」
嬉しそうに顔を覗き込んでくる。反省していない様子に煉獄はため息を付いた。
名前は素山猗窩座。
猗窩座は特別素行が悪い訳ではない学生だが派手な見た目のせいでやたら絡まれることが多く、その為何時も怪我が絶えない。
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