暗殺者の矜持自分の内面は打算にまみれている。
そのアイテムの存在を知った時には渡す相手など一人しか浮かばなかった。
案の定、誘いをかければいつもの如くノッてくれる友人。
いざ指輪を押し付けた時はどんな反応をされるか、予想などし尽くした筈がそれなりに心臓に悪かった。
全く警戒せず、あっさりと受け取っては当然の如く右の薬指を占拠する。
契約の指。支配の指。
同じプレイヤーならそう警戒するまでもない。現実の姿が想像できる相手と問題を起こすことなど思いもよらないだろう。
この世界の『住人』たちにやたらと好かれるホムラは、放っておけば手厚く囲い込まれかねない。
本人は全く気付いていない上
自分だけは、近くに居ようとも決して現実と交わらないゲーム仲間。
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