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    現パロドレホ🦖🔮+レスラー百獣、大看板と飛び6️⃣砲 前編

    #ドレホ
    dreho

    全年齢・現パロドレホ 時は年末、大晦日。
     とある会場には大勢の観客が押し掛けていた。
     白熱のライトに照らされたリングの下、大柄な男が三人立ち尽くしていた。
    「さぁさぁ、いよいよ最終ラウンド‼︎ 窮地に追い込まれた"X"はここから巻き返しをはかれるのか⁉︎」
     解説の言葉に会場が盛り上がる。
     そんな熱狂とは裏腹に、リングの上を不安そうに見つめる男がいた。
    「ドレーク……」
     ホーキンスの小さなつぶやきは歓声にかき消されてしまった。
     
     *****
     
    「絶ッッッ対にいやだ‼︎ 断る‼︎」
     小さな部屋からドレークの大声が響きわたる。
    「そう言わずに頼む‼︎」
    「このタイミングで会ったのも何かの縁だろ⁉︎」
     ドレークに詰め寄るのは、体格が横にも縦にも大きな男・ジャックと、褐色肌に白く長い髪を緩く編み上げてる男・キングだった。
     ドレークと共に連れて来られたホーキンスは、必死の形相で断るドレークをジャックの山のような背中越しに見守るしかなかった。
     
     どうしてこんなことになったのか。
     きっかけはホーキンスと街中を歩いていたドレークと、ちょうどトラブルが発生して困っていたキングが出会ってしまったことから始まる。
    『⁉︎ ドレーク⁉︎ ドレークだよな、おまえ‼︎』
     最初、誰だかわからなかったドレークは戸惑っていたが、キングの名前を聞いた途端に顔色が変わった。
    『キング⁉︎ 百獣の⁉︎ その顔はいったい……⁉︎』
    『色々あって顔出ししてんだよ‼︎ それよりもドレーク、頼む‼︎ 今日これからジャックの代役として試合に参加してくれ‼︎』
     結局、何が何だかわからないドレークは、必死に頼み込むキングにホーキンスと共に、場所を変えて話すことになった。
     
     キングの話を要約すると『毎年年末になると、百獣興業で〈大看板への挑戦権〉という昇格試験のような試合を開催しているが、その〈大看板〉であるジャックが直前に怪我をして出れなくなった。一年を締めくくる花形でもある大型の企画に穴を開ける訳にもいかず、誰か代役がいないか……と探しているところにドレークが現れた』ということだった。
     なぜそんなにドレークにこだわるのかというと、ドレークは一時期百獣に所属していて、レスラーとして活躍していたことがあるからだった。
    「おまえなら話題性も実力も申し分ない。頼む‼︎ もう他を探してる時間もないんだ‼︎」
     ドレークはさっきよりも隅に追いやられて返事に窮している。
    「……やってもいいんじゃないか」
     ドレークがいる反対側の隅で、話を聞いていたホーキンスが口を開いた。
    「おれのことを気にしてるなら問題はない。占いでも、おまえに怪我の心配はなかった。……困ってるようだし、出てやったらどうだ」
     ホーキンスの思わぬ助け舟に、ドレークだけでなく、キングとジャックも呆気に取られている。
    「どうする? ドレーク」
     キングもジャックも固唾をのんで、ドレークの言葉を待っている。
    「………………わかった」
     とうとうドレークが折れた。
     こうして、ドレークが出場することになったのだった。
     
     *****
     
     ——謎の覆面レスラー"X"。
     それがドレークのリングネームだった。
     百獣に所属していたのは約二ヶ月、パワーバランスが一方的な試合などに現れてその場を撹乱させる、敵か味方かわからない謎のレスラー……というのが"X"の役どころだった。
     さすがにブランクがあるドレークをいきなり出場させるのは安全面に問題があるため、試合の時間までウォームアップも兼ねて準備をしている。
     その間に、ホーキンスは他の所属レスラーたちから昔のドレークについて教えてもらっていた。
    「力押しじゃなくて頭使った戦い方が得意なクールキャラってことで、短い間しかいなかったけど、今でも人気あるんだぜ」
     そう言ってページワンは、タブレットで動画を見せながら説明を終えた。
    「〈大看板への挑戦権〉は昇格試験も兼ねてるから、一応延期って形でまた開催されるけど、放送枠は動かせないからキングも中止は避けたかったんだろうねえ。代役を受けてくれて助かったわ」
     ありがとうね、と声を掛けてくる金髪の背の高い和装の女性はブラックマリアだ。女性レスラーの中でもトップクラスの実力者だが、昨日試合を終えたばかりで連戦になるのを避けるため、ギリギリまで代役として出場するか悩んでいたらしい。
    「けど、本当によかったの〜? ドレークの奴、死ぬほど嫌がってたんでありんしょ?」
     変わった語尾で話しかけてくるのは、ページワンの姉・うるティだ。ページワンと共に研修生として所属しており実力があるらしく、年齢と体重さえクリアしたらデビューも近いらしい。
    「ドレークが気にしていたのは、おれのことだろう。巻きこまれる形となってしまったが、おれは気にしてない。あれだけ頼みこまれていたのに渋っていたからな。おれがいいと言わなければ、ドレークもうんと言えなかったんじゃないか」
     だから大丈夫だ、と頷くホーキンスだったが、うるティは納得いかないようだった。
     ウォームアップに向かう前、ドレークはホーキンスにこう言っていた。
    『ホーキンス……、この試合でおれはおまえに見せたことない姿を見せるかもしれないが、どうか…………、どうかおれのこと嫌わないでくれ……‼︎』
    「……絶対大丈夫じゃないでしょ」
     うるティはそっとぼやいた。
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    雨月 悠一郎

    MAIKINGげんきなえびさん(@op_zzzzg)の言ってた竜の子ドレークと隠遁生活してるホーキンスのドレホ話
    タイトル未定 このお話を始めるには、まずある国の成り立ちから話さなければなりません。お付き合いくださいますように。

     遠い遠い昔のある国に、竜になれる一族がいました。その一族は傭兵として自分の国と他の国との戦争に参戦し、竜になれる身体能力と体の耐久性の高さを活かして自分の生まれ育った国を勝利へと導きました。その功績として、雇い主である王から自分が戦争で滅ぼした小さな国を領土として与えられ、自分の国として治めることにしました。
     ある代の竜の皇子、ドレークの一番古い記憶は、お城のある長い廊下を歩くところから始まります。廊下には片方の壁に歴代の皇帝の肖像画がずらりと並び、もう片方の壁には皇帝が竜になった姿の肖像画が皇帝の肖像画と対になるようずらりと並んでいます。皇帝はいずれも赤味の強い橙色の髪に水色の瞳をしていましたが、竜になった皇帝の姿は赤い肌に立派な黒い羽が生えた竜だったり、頭から角が生えた蛇のような姿の竜だったり、ある女性の皇帝は星のように輝く金色の肌を持つ竜だったり、と様々でした。
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