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    R_myroom

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    ⬇️のポストから文章化したアイドルパロのデュエス。
    https://x.com/suisei_myroom/status/1903901808881504427?s=46

    書きたいとこだけ、短い、いちゃいちゃうっすい。
    ブレ💎イメージしつつ、ただアイドルしてるだけの世界線。

    ⚠️ネタの欠片程度を中の人のお写真からインスパイア受けてるので苦手な人は注意。

    #デュエス
    ds

    そういうとこだぞ。「ほんっとお前、いい加減にして!?」

    デュース・スペード16歳。僕は今、なぜか目の前で絶賛ご立腹中の男に正座をさせられている。

    (どうしてこんな事に......)

    原因は僕にあるらしい。全く心当たりは無いが。
    それでも、折りたたんだ足をじんじんと痺れさせながら話を聞いていけば、事の始まりは先日行われたイベントのネット記事が更新され、それをこのお怒りゲージフルMAXのこいつ、エース・トラッポラが発見した所から。

    記事の見出しはこうだ。『人気アイドル、渾身のハートもまさかの不発』
    美人な女優さんに媚びを売っているシーンをすっぱ抜かれでもしたのかと思ったが、どうやら違うようで。
    綴られた内容を掻い摘んで言えば、エースがライブ中のファンサービスタイムに僕とハートを作ろうとした際、僕の方がそれに気付かず別のポーズをしたまま、ちぐはくなツーショットになってしまった場面が切り抜かれていて。キレたエースにツッコミを入れられるまでの一連の流れを収めた写真と共に、コミカルな文体でその一部始終が語られていた。

    スキャンダルを暴露された訳でも、ファンから不評を買っている訳でもないのに、どうしてそこまで詰められなければならないのか、と表情にも声にも出して抗議をしてみたが、エース側の主張としては、SNS上での反応のされ方がご不満だったとのこと。

    「“エース、デュースのこと好きすぎて可愛い”だの、“エースくんの片想い?がんばれ〜!”だの、“すれ違う2人の結末やいかに!?”だの……!なんかオレが一方的にお前のこと大好きではしゃいでたみたいになっちゃってるじゃん!!!」

    「なんだそれ。そういうキャラ付けをするなら、せめて一言相談くらい……」

    「ちっげーわバカ!!!!オレはただ、お前とセットで推してくれてる層にもちょっとくらいファンサしとかなきゃなーって、プロ精神で絡んでやってんの!!なのにお前が視野狭クソ鈍デュースくんなせいで、あらぬ誤解産んでんでしょーが!!!」

    うっ。そう言われると痛い。
    現に、件の瞬間に僕は何をしていたかと問われれば、僕個人のファンへのレスポンスで手一杯になってしまっていただけで。それ故、いつの間にか傍に移動して来ていたエースに気が付いてやれなかったという落ち度はある。(それでも、後頭部をフルスイングする必要はなかったと思うが)

    「悪かったって……。つまり、エースが熱心に僕にアピールをしている、みたいな図が気に食わないんだな?……じゃあ、次のライブでは僕からお前に絡みに行くから、それでお相子にしてくれないか」

    「んまぁ……わざわざ公式から弁明ー、みたいなんも硬っ苦しいし、変な不仲説とか流れても困るし……。お前に任せんのはすっげー不安だけど、やるからにはしくんなよ。ポンコツデュース」

    相変わらずの憎まれ口に加えて、その顔つきは不満げな色を残してはいるものの、僕からの提案を一旦飲み込んではくれたようだ。そんな風にしつつ、僕よりも一段階深いところまで考慮している所が、ムカつくけど流石だなと思ったり、自分の至らなさを痛感したり。アイドルっていうのは、想像以上にやることが多くて大変だ、と改めて身に染みた一件だった。





    そんなやり取りから数週間後、今日は久しぶりに大きなステージに立つ日。いつもは感じない、僕だけに与えられた使命感にも似た気持ちを抱え、様々な曲やMCを一つ一つやり切っていくと、拙いながらに考え抜いた作戦を決行する時が迫る。

    曲間の移動中、花道の正面からツンツン頭のシルエットがこちらに向かって歩いてくる。
    カメラの位置も確認済み。優等生として、自分で言葉にしたことはキチンとやり遂げるのが筋だ。
    そう決意を固めてはいても、緊張でやや早足になってしまう。

    でも、ここまで来たら引き下がれない。吸い込んだ息と共に不安を吐き出すと、すれ違いざまにエースの腕をぐっと引き寄せて、その頬に唇を押し当てた。

    少しだけぎこちなくはあったかもしれないが、画角はバッチリ。頭上の複数のモニターに映し出されたであろうものは、熱烈かどうか分からないが、親しい間柄を伺わせる行為には違いないし、前回の騒動を上書きする条件は満たしているはずだ。

    どうだ、上手くやっただろ、なんて意図を伝えたくてエースの方へ視線をやれば、次のスタンバイ位置に辿り着いていないにも関わらず、こちらを振り返ったまま、まるで魔法にかけられたように固まっていた。

    パフォーマンスの熱気での紅潮なんて目じゃないくらい、顔中全部を真っ赤にして、僕の唇が触れた箇所を押さえては、わなわなと震えている。

    あ、なんかその顔、好きだ。

    そんな姿に目を奪われていると、マイクに拡声された絶叫が、僕の耳も、会場全体をも貫いた。

    「ほんっっっっっっとお前、いい加減にして!!!!!!」
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    R_myroom

    DONE⬇️のポストから文章化したアイドルパロのデュエス。
    https://x.com/suisei_myroom/status/1903901808881504427?s=46

    書きたいとこだけ、短い、いちゃいちゃうっすい。
    ブレ💎イメージしつつ、ただアイドルしてるだけの世界線。

    ⚠️ネタの欠片程度を中の人のお写真からインスパイア受けてるので苦手な人は注意。
    そういうとこだぞ。「ほんっとお前、いい加減にして!?」

    デュース・スペード16歳。僕は今、なぜか目の前で絶賛ご立腹中の男に正座をさせられている。

    (どうしてこんな事に......)

    原因は僕にあるらしい。全く心当たりは無いが。
    それでも、折りたたんだ足をじんじんと痺れさせながら話を聞いていけば、事の始まりは先日行われたイベントのネット記事が更新され、それをこのお怒りゲージフルMAXのこいつ、エース・トラッポラが発見した所から。

    記事の見出しはこうだ。『人気アイドル、渾身のハートもまさかの不発』
    美人な女優さんに媚びを売っているシーンをすっぱ抜かれでもしたのかと思ったが、どうやら違うようで。
    綴られた内容を掻い摘んで言えば、エースがライブ中のファンサービスタイムに僕とハートを作ろうとした際、僕の方がそれに気付かず別のポーズをしたまま、ちぐはくなツーショットになってしまった場面が切り抜かれていて。キレたエースにツッコミを入れられるまでの一連の流れを収めた写真と共に、コミカルな文体でその一部始終が語られていた。
    2003

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