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    キツキトウ

    描いたり、書いたりしてる人。
    「人外・異種恋愛・一般向け・アンリアル&ファンタジー・NL/BL/GL・R-18&G」等々。創作中心で活動し、「×」の関係も「+」の関係もかく。ジャンルもごちゃ。「描きたい欲・書きたい欲・作りたい欲」を消化しているだけ。

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    キツキトウ

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    2024/3/9
    「午前四時の胸懐」

     湯気が空へと立つマグカップを傍に置き、朝露を纏う硝子窓を眺めながら、私はまた言葉を廻らせた。

    ----------

    小説SS。

    #創作
    creation
    #小説
    novel
    ##Novel

    「午前四時の胸懐」.
    .


    貴方に会う為に私は目を開く

    貴方に会う為に今日は文字を習った

    貴方に会う為に今日も言葉を知る

    貴方に会う為に私は自分に想いを廻らせた

    貴方に会う為に自分がしたい事をみつけた


    『いまはなにをしていますか? わたしは大きくなったら――』
     小さな手で、可能な限り思いつく言葉で。
     綴られていく文字の列を眺めた今の私は、幼い頃の自分に語られている。かさりと音を鳴らしながら折り目に沿って再び折りこむと、文字が連なるそれを茶けた封筒へと再び寝かせた。
    『はやくあなたに会いたいです』
    「早く貴方に会いたい」
     様々な事があった中で、頑張って今日まで生き抜いた私に早く会いたい。
     〝その時〟にはきっと、「色々あったけど、悪くなかったね」って言いたい。経験が刻まれたしわと笑みによるしわを眺めて「がんばったね」と言いたい。
     だから私は今日も歩く。いつかの自分に会う為に。

     自分という者を守り、自分という者を疎かにせず、自分という者を学ばせて成長させている。そんな自分にふと言いたくなったのだ。
    「ありがとう自分。これからもよろしくね!」
     今日届くように定められていたその手紙。再び眠るその子が寂しくないまま「またいつか」へ届ける為に、今の私も新しく綴る事にした。




              - 了 -


    ----------

    エブリスタ「三行から参加できる」用に新しく書いたもの。お題は「あなたに会いたい」。

    小学校の頃、未来の自分に宛てて手紙を書く授業があったのを思いだした。書いたものが短かったので、手元にはないけれど今でも内容を覚えている。この話の人物の元に届いた言葉とは違うけれど、「自分らしいな」と思う言葉だった。

    ※ポイピクの仕様上で、拡大するとなぜか題と本文が詰まって読みづらいので、出だしに点をうっています。特に本文とは関係が無いので気にしないでください。
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    💘💕💕
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    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。七夕を楽しむ二人と、夏の風物詩たちを詰め込んだお話です。神頼みができない人にも人事を超えた願いがあるのは良いですね。
    >前作:昔の話
    https://poipiku.com/271957/11735878.html
    まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    星渡 折からの長雨は梅雨を経て、尚も止まぬようであった。蒸し暑さが冷えて一安心、と思ったが、いよいよ寒いと慌てて質屋に冬布団を取り戻そうと人が押しかけたほどである。さては今年は凶作になりはすまいか、と一部が心配したのも無理からぬことだろう。てるてる坊主をいくつも吊るして、さながら大獄後のようだと背筋が凍るような狂歌が高札に掲げられたのは人心の荒廃を憂えずにはいられない。
     しかし夏至を越え、流石に日が伸びた後はいくらか空も笑顔を見せるようになった。夜が必ず明けるように、悩み苦しみというのはいつしか晴れるものだ。人の心はうつろいやすく、お役御免となったてるてる坊主を片付け、軒先に笹飾りを並べるなどする。揺らめく色とりどりの短冊に目を引かれ、福沢諭吉はついこの前までは同じ場所に菖蒲を飾っていたことを思い出した。つくづく時間が経つ早さは増水時の川の流れとは比べるまでもなく早い。寧ろ、歳を重ねるごとに勢いを増しているかのように感じられる。
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