最終プラネタリウム冬も近付く、
ある秋の日の夜。
遊びに来たついでだからと、
友達の君を誘ったのは、
都心から少し離れた所にある
プラネタリウムの最終の回。
現地に着く頃には、
もうだいぶ日が落ちていて
辺りは暗くなっていた。
人も疎らなカウンターで
チケットを二枚買って、
僕たちは施設内に入る。
「なぁ、壮五。
なんで俺を、
プラネタリウムに誘ってくれたんだ?」
「…君と星を見る、約束をしていたから。」
不思議そうな君に、
半分は本当、
半分はこじつけの理由を
僕は何でもない顔で呟く。
「…?そうだったっけ?
でも、プラネタリウムなんて
ガキの頃の夏休み以来だよ!
楽しみだな〜」
「そうだね。」
君を誘った理由は、
本当はもっと別にある。
君に悟られないように
僕は笑顔を貼り付けて、
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