乗ってくれないか スフィクを誘ったのはやはり想定外のようで、嘘だろなんで俺が、と言われた。それもそのはず、騎士候補に選ばれた俺のお供となれば、最も親しいとか、力持ちや物知りといった即戦力が求められるもので、ただの知り合いかつ能力も人並みならばお呼びでないと思うのも無理はない。
だが使者によれば、彼は自覚してないようだが魔力が相当あり、イーサン同様このまま片田舎で燻らせておくには惜しい存在だと、推挙されたのだ。ただ本命ではないので、わきまえるためにもしばらくそれは伏せるらしいが。
村を守るのも重要なのだと、彼らには納得させたつもりだ。俺達もできることをするのに何の咎があるだろう。
俺は、窓から月を眺めていた。