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    えんどう

    @usleeepy

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    えんどう

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    ▽ちょっといかがわしい話

    ##1000-3000文字

    聖なるかな▽ちょっといかがわしい
    ▽ぐだキャスギル






    「ギルガメッシュ王」
     ベッドへ仰向けに横たわり、スタッフから巻き上げたらしい書類を見つめている王を呼ぶ。返事はなく、けれど薄い金に縁取られた紅玉のような瞳がベッドサイドの立香を捉えた。それもすぐに逸らされ、元の位置に戻る視線に幾許かの寂しさを覚えながらベッドへ腰掛ける。書類に視線を落とすギルガメッシュの両の目許には金色の睫毛が影を落としていた。改めてまじまじとギルガメッシュを見つめる。陽を編んだような金の髪に、す、と通った鼻筋、薄っすら血色に色づいた形のいい薄い唇。黄金の装飾を解いているせいで露わになっている白い首筋、鎖骨、布地の少ない外套から覗く薄い胸元。花のような紋様の刻まれた鍛え上げられてはいるが細い腕に、それに似合う細く長い指、引き締まり細くくびれた腰から繋がる下肢。膝を立てているせいで赤い布がめくれ、すらりと長い脚が剥き出しになっている。髪の先から爪先まで完璧な、完成された芸術品のような半神半人の王。本来ならば自分のような人間が触れることすら赦されないのに、恋人同士のように睦みあうなど、改めて考えてみれば夢のような話である。
    「王様、ギルガメッシュ王、」
     足首を掴んで呼ぶ。今度は黙殺された。構わず剥き出しの膝に唇を押し当てる。ぴくりと脚に力が入るのが解った。そのまま唇を脛へと滑らせ、足首を持ち上げて踝、足の甲にくちづける。手の指と同じくほっそりとした指には舌を這わせた。反射的、という風に逃げる脚を引き止めて指の股にぬるぬると舌を滑り込ませる。ギルガメッシュが書類から目を離すことはなかったが、ぴくりぴくりと反応する脚でこちらの動きを気にしていることは明らかだった。親指を口に含んで更に舌を絡みつかせる。くすぐるように舌で擦り上げれば抑えられた声が聞こえてきた。
    「ぅ、……立香…、貴様、傅いているつもりか? ……っァ」
     親指から順に舌で口の中へ招き入れては舐め上げ、溢れてくる唾液をじゅるじゅると吸い上げれば口の中で爪先が丸められる。表も裏も余すことなく舐めながら指を変えていくと、ギルガメッシュの口からは色の混じった声が零れた。
    「立香、りつ、…っあ、ん、んぅ、 あっ、」
     きゅうと丸まる爪先を舐める。はだけかけた腰はゆらゆらと揺れ、何を求めているのか一目瞭然だった。
     親指の先に音を立ててくちづけ、掴んだ足を解放する。立て膝のギルガメッシュの脚の間へ割って入り、顔を寄せれば書類を放り出した両手が首へ回った。
    「……貴様という奴は、……」
    「働きすぎですよ、王様。また過労死したらどうするんですか」
    「するかばかもの。……我の仕事の邪魔をした責任は取るのであろうな?」
     ぐい、と腰が押しつけられて主張し始めた形を腹に感じる。半分はそのつもりだったからいい。もう半分は……自分でも理由は解らなかった。
    「ギルガメッシュ王、……」
     呼びながらくちづける。素直に瞼に覆われる真紅に可愛い、などと不敬なことを思う。教わったことをなぞるだけの拙いキスに反応してくれることが嬉しい。こうして淫蕩に耽ろうがどれだけ快楽に乱れようが、ギルガメッシュの神々しいまでの美しさは翳らないどころか艶を孕んで一層美しくなるような気がした。何人であっても――たとえ深く繋がることを許された立香であってもそれを穢せない。穢そうと思ったことはないが。
     穢そうなどと思ったことはないが、この行為は、この不遜な行為は穢そうとするに等しいものではないのか、などと立香は考える。人ならざる彼を、人の枠に押し込めるような。それすらも、到底叶うことではない。ギルガメッシュはどこまでも半神半人だ。どこまでも人間である立香とは違う。
    「りつか、 ぁ、ん、…もうよい、疾く……」
    「ギルガメッシュ王……」
     その王と一時だけでもこうして欲を交わせるのは、やはり不思議な気がした。勿論望んで、望まれてしている行為であるが、この神聖な人を汚して穢そうとして乱れさせる行為など、よく自分にできたものだ。立香の拙い動きでも、ギルガメッシュは身も世もなく乱れる。乱せるのは嬉しい。単純な嬉しさと、どうあがいても人にはならないこの人を近くに感じられるような気がする。普段はこんなことを考えもせずただ必死なだけだが、今日はなぜだか気にかかった。
    「貴様、考え事とは余裕だな?」
     囁く声音でそう訊ねられる。千里眼ですか、と問い返せば「ばかもの」と罵られた。
    「貴様のことなど顔を見れば解る。……無駄なことは考えず、今は存分に溺れるがよい」
     確かに考えても無駄なことだ。今王はここにこうして、立香に組み敷かれている。肯定の返事をすれば満足げに笑った美しい人に思考も唇も奪われたのだった。
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