s_toukouyou☆quiet followDOODLE がむ、と指先を容赦なく噛まれて、カール・クラフトは沈黙した。引き抜こうと指を振ってみるが、頭を左右にふることになっても黒猫が口を離す様子はない。 猫にかじられていたコートごと猫を抱え上げている友人が、面白がってくすくすと笑っている。 カール・クラフトは猫を見た。猫はカール・クラフトを見た。どちらも無言であったが、猫は念入りにもう一噛みした。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow s_toukouyouDOODLE水銀黄金/5月のテーマ「新緑」 青々と茂る木々の葉の間から、光が差す。夏だ。 木漏れ日のなか、街道をゆったりと歩く。夏の気配は色濃く、落ちる。夏は私に縁遠い季節のように思っていた。 雪に音が吸われて、しんと静まり返った冬のことを思い返す。 窓辺に立つに人の、流麗な立ち姿。長い金の髪が玲瓏として輝く。 春夏秋冬がどれほど繰り返されたところで、ずっと冬であったような気がする。時が止まってしまったようかの錯覚。時を止めるのは自身ではなく、我が子の方ではあるのだが。 夏の気配がじりじりと肌を焼く。ただの錯覚だ。本当にこの肌を傷つけられるはずもない。だが。 道の先に立つ男を見つけた。振り向く動きに合わせて、長い金の髪が広がって、光を浴びてきらめく。 384 s_toukouyouDOODLE水銀黄金/4月のテーマ「花見」 涙がひとつぶ落ちる。土にぶつかって飛び散った涙は、砕け散った欠片を青い花びらに変じ、ひらりと舞って、風に溶けていく。 人間の感情の痕跡が私にはそのように見えていた。 あの青さを今思い出したのは、今があまりにも赤いからだろうか。 過去の残照はすぐさまに過ぎ去った。むせかえるほどの血臭。硝煙の匂い。炎の温かさ。 ここにいるものすべての魂を抱きしめて、城をつくるのだという。 眼下には大輪の花が咲いていた。いくつもの花が咲いては散っていく。ばらばらになった花弁は炎に巻かれながら舞い上がり、私のところまで届く。 花吹雪のなかで私は自身のそばにいる男を見た。 「花が咲かないな、卿は」 生まれてこの方、この男のそばに花が咲いているのを見たことはない。 478 s_toukouyouDOODLE謎パロ2「人間に戻りたいのです。どうか、助けてください……!」 そういって蟲は前足(?)で目元(?)を覆って泣き崩れる。 カブトムシって喋るんだ……。なによりもまずそう思った。この探偵事務所で働き始めてから、いくつかの事件にかかわったが、こんなにしょっぱなから怪奇なのは初めてだ。 俺の新しい上司のほうは、蟲が喋ったくらいでは動じないらしい。優雅に紅茶を一口飲んで、カップをソーサーの上に戻している。 蟲の話をまとめるとこうだった。まだ人間だったころ、会社に向かう途中で頭に衝撃を受け気絶。目を覚ましたらカブトムシになっていたらしい。これは困ったと町中を彷徨い、どこぞの壁に貼ってあったオカルト大歓迎なこの事務所のチラシを見つけ、一縷の望みに賭けて飛んできたとか。 3612 s_toukouyouDOODLE水銀黄金/3月のテーマ「卒業」 その手紙はなんともうすら寒い一行から始まった。 あなたに恋をしている、と。 長い金髪の美しさに見惚れ、透徹とした瞳の中に世俗に交じっても汚れぬ純真性、完全性を見たという。あなたがこの業界からいなくなるのが、なによりの損失である。いまからでも卒業という選択を考え直してはくれないかという懇願。しかしそれは自身のわがままであり、舞台を降りたあなたの活躍を今後も祈っている。 まとめてしまえばこんなものだが、どうにも距離が近いくて、正直に言えばちょっと気持ち悪い。 拾った手紙をなんとも言い難い気持ちで眺めた。 これはいったい、どっちの話をしているんだろう 「何をしている」 「あ、監督」 「廊下に手紙が落ちてまして……封筒になにも書いてなかったので、なんの手紙か確かめようと中を見たんですが……」 745 s_toukouyouDOODLE謎パロ それにしても金がほしい。 リビングで藤井蓮はテーブルの上に並べた自身の全財産を眺めながら唸った。そろそろ夏が近い。友達と遊びに行くための資金のことを考えると、そろそろ貯金を始めないといけないが、今から貯めたところでちょっと足りないような気もする。 大学の授業の合間にバイトはしているものの、これがなかなか難しかった。接客業をやればうっかりお客様の喧嘩を買い上げてしまったりと、自身がそこそこひねくれた人間であることが遠因で仕事が続かない。 「金が欲しいか」 「うっ……」 背後から兄の声が降ってきて、藤井蓮は身を固めた。 本能が警告している、「断れ」と。 藤井蓮は葛藤の末にじりじりと後ろを向いた。ソファの後ろに立っている兄は、妙に優し気な微笑みを浮かべた。そんな空虚な笑みを向けられても怖いだけだ。何をさせられるのか、まったく恐ろしくて仕方がない。 1176 s_toukouyouDOODLE水銀黄金/養子/1月のテーマ「初めに光ありき」 半開きの扉に隠れるようにして、こちらを見てくるこどもに、ラインハルトは苦笑した。最近はずいぶんと慣れたように見えたが、どうやらそうでもないらしい。 身をかがめてこどもと視線を合わせたラインハルトは、少し目を細めて何も言わずに笑顔でこどもを手招いた。 目があったことで、こどもは一瞬視線を揺らして、おずおずと近寄ってきた。しがみついてくるのを好きにさせる。背中を優しくたたいて、抱き上げる。 「どうした?」 問いかける声にいらえはない。こどもはただラインハルトの首に腕をまわして、抱き着いた。 「具合でも悪いのか」 ふるふると首を横にふるが、こどもは具体的なことを話すつもりはなさそうだった。 「日の出を見に行くのはやめておくか?」 850 recommended works ふみか🍊DOODLE🕶 3 りきちゃんMOURNING #甚五ボンボンにたかるヒモ 3 tai_anninDOODLE甚五の日!(R18無理矢理凌辱で背後注意)流血はありませんがいつもと毛色が違うので大丈夫な方だけどうぞ!!執着とか因果とかの歪みを感じるので生存していたらどうなっていたかとても気になる二人で好きです甚五。 3 tojigoisrealDOODLE甚五 2 viikaviDONESupport me and get a lot of goodies💖: www.patreon.com/viikaviTwitter: twitter.com/viikavi_tyan SambunDONEแมวกิน くろねこDONE最終的に家族になる甚五華が咲く 季節は夏を過ぎ、秋の気候を楽しむ期間も短くすぐに冬の風が吹いた。 陽が登るのが遅くなり、沈むのが早くなった11月中旬。陽が出ている日中でも空気は冷たく上着を羽織っている人間が大半だ。早朝はさらに一段と冷え込みが強く、野外にいれば漏れる息は白い靄となって消える。誰もが身を縮こませ、暖かい我が家への帰宅が早くなり、外出することを控えるだろう。 時間帯にすれば早朝。しかしまだ外は暗く、太陽も出てきていない。皆がいまだに布団でぬくぬくと暖をとりながら睡眠をとっている中、静かな住宅街で一人の男性が足を止めずに…目的もなく歩く足音が響いていた。 ふわふわとした…日本人離れした白銀の髪を揺らし、コートのポケットに手を突っ込んで一人歩いている。 6181 Tojii3112DONE ごま月餅DONEkei94様の小説「ハッピーニャンニャン!好奇心はドラ猫を殺す?」( https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21892664 )に挿絵を描かせて頂いたのですがそちらに効果とか追加したやつです。しっぽの付け根トントンされるだけで発情しちゃうドちゃんかわいいね…pass:18?→y/n 2