今も夢を見ているような気がする。
手をつないでくれている男を見上げて、少年はふわふわとした気持ちで歩いた。視線を上に滑らせれば、白皙の美丈夫がいる。つい先日、養父になった男がそばにいることに、いまだに慣れない。つないだ手に小さく力を籠めると、黄金の瞳がこちらを向く。小さく微笑まれて、おもわず視線を地面に向けた。時間をおいてゆっくりと視線をまた上げて、養父の横顔を見た。輝かんばかりの美貌はあらゆる視線を引き付けていた。
家に帰ってからも、少年は養父となった男を見ていた。買ってきたものをしまう時も、夕飯を用意するために養父がキッチンに入った時も、入浴の時も、就寝の時も。
薄暗い寝所の中、養父はほのかに輝いているように見えた。
あの星はいまも遠い宙の果てで輝いているのだろうか。いつかに見たきらめきのことを思い出す。
昔いまし、今いまし、後います、私の星。