WDL後ロンドンにやって来たジョルといちゃつくデン「エイデンーあんたのコレクション借りるぜ。」
寝室からリビングのエイデンに声をかける。
「使わなくて済むよう祈るよ。」
なかなか帰ってこないエイデンに痺れを切らしてロンドンまでやってきたが、まさかここでも仕事をすることになるとは。クローゼットを開け放つ。ハンガーにかかっているのはスーツ数着と皮のジャケットくらいだが、クローゼットに服があるだけ以前に比べれば進歩している。備え付けのチェストの引き出しには、M1911からグレランまで、バラエティに富んだ武器が揃っていた。必要なものを厳選して鞄に詰める。車で近くまで行って、ギャングの拠点の外からデータを奪う。殺しはなし。俺は運転手。楽な仕事だ。
クラン・ケリーが葬り去られてから間もないが、南部ではすでに後釜争いの抗争が始まっている。デッドセックにより悪事を詳らかにされたアルビオンは国際的非難を受け壊滅状態だが、一方でアルビオンに権限の大部分を奪われていた警察組織の回復は未だ道半ばだ。つまるところ今回の仕事は証拠を見つけて警察に流すデッドセックの案件だった。
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