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    はまおぎ

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    はまおぎ

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    ご×う。
    五歌、二人して大人と子どもの間を反復横跳びしててほしい。

    子ども「チョコみたいな風味で——」
     庵が語り切るのも聞かず、彼女の手から黒ビールのグラスを奪った。口元で傾けて、ちろりと舐める。五条の舌先にビリリと重い苦味が乗った。舌の付け根が締まった気がする。
    「どこがチョコだよ。チョコに謝って」
     おえ、としびれる舌を出してやる。グラスは「失礼な」と声を荒らげた庵によって回収された。
     クラフトビールのメニュー看板に惹かれた庵が吸い込まれていくのに付き合って入ったバーだ。抑えめの照明の中に浮かぶグラスの艶がまぶしい。並んで座ったカウンターはよく磨かれたマホガニー。バーテンダーは、オススメを尋ねる庵にも、バーに来てノンアルコールを所望する五条にもにこやかに応対してくれた。
    「チョコに謝るって何。アンタこそブルワリーに謝れ」
     こんなに香ばしくて美味しいのに。そう言って彼女は、くっとグラスを傾けた。普段ジョッキで生ビールをあおっているときのひと口なら、もっと比べものにならない量をごくごくごくごくといく。炭酸ののどごしではなく舌で感じる味を楽しんでいるのだと、そんなところで知れる。嗜好を理解することはできないが。
    「チョコにだってハイカカオの苦いやつあるじゃない」
    「僕が言ってるのはそういう健康志向のやつじゃなくて、あまーいミルクチョコとかホワイトチョコとかだよ。文脈って分かる?」
     カウンターに肘をついて呆れたポーズを整え、言ってやる。庵はもうひと口ぐいと飲んでから「ふふん」と陳腐な言葉を発して、にやりと笑った。
    「あーおいしい! アンタは子ども舌ね」
    「馬鹿にしたろ」
     尋ねるまでもない、馬鹿にされている。こちらは彼女より三つ年下で、その意味では確かに彼女より子どもだ。しかし、こんな歳にもなればこの程度の歳の差は誤差だろう、と思う。
     手を伸ばして、庵の後ろ髪を一房つまみ上げた。くるりと指に絡める。気づいた庵がグラスを持ったまま五条を振り返ったところで、うなじのあたりに手を添えた。反対の手で彼女の手からグラスを回収してカウンターへ。己は隣に身を乗り出し、添えた手で庵を引き寄せた。
     柔らかな唇を幾度かはめば、それはくすぐったそうに震えた。緩んだ隙を逃さず、舌を滑り込ませる。つるりとした歯を軽くもてあそんで、さらに奥を迎えにいく。柔らかな肉を飴玉のように舌先で転がしながら、温かな粘膜の所々に苦味を感じた。ふ、ふ、と庵が浅く繰り返す息を感じれば、それも追って飲み飲んだ。
     彼女はぎゅうと目をつぶっている。大きく依存する視覚情報をシャットアウトすればその分だけ触覚やら聴覚やらが過敏になって大変だろうに、と思っても言わない。その方が五条が楽しい。肩や腰がびくりと跳ねるたびにそこをなでて、知らしめる。
     離れるときには極めつけに軽く吸いついて、ちゅ、とわざとらしい水音を立ててやった。
    「子どもにこんなことされて、歌姫先生、今どんな気持ち?」
    「生意気なんだよ、ガキ」
     潤む目元を彩る朱が酒精でないのは、彼女と何度も飲んでいれば分かる。グラスの一杯程度、まだ彼女が酔うほどの量ではない。
    「お代わりって解釈するよ」

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