「書類仕事捗ってるー? 差し入れだよ、歌姫」
「五条のくせに珍しく殊勝じゃない。明日は大雨でも降るのかしら」
「何言ってんの、明日も引き続きピーカン。歌姫も生徒連れて任務で外出る身なら、天気くらいチェックしときな」
「天気予報くらい見てるっつーの! 大体今のは決まり文句だろうが! 知らないわけないでしょうに……!」
「あーあー、ただでさえ暑いのにヒートアップしちゃって。ほら、これ食べてクールダウン、クールダウン」
「え、差し入れってアイス?」
「そ。ちゃんと歌姫の分は好みに配慮して、甘さよりさっぱりすっきりなレモン味」
「それはありが——いやストップ、袋が結露してる! 書類の上に置こうとするな、濡れる滲むシワになる!」
「アイスいらない? 僕が歌姫のために選んだアイス」
「いやそれは……暑いし、ありがたいし、欲しいわよ……」
「だよね。僕の親切を無碍にする歌姫先生じゃないよねー!」
「ああああだから置くなっつったでしょうがバカ!!!」
🍨
「うわーだめだ作り直しだ……ほとんど完成してたのに……」
「あはは頑張れ〜、僕が横で見てたげる」
「アンタはさっさと自分の分のアイス食べて帰れ」
(23.08.16 12:44)