すたおけ年長男子のゆるゆる集い まだ残暑が厳しいが、夕方になると秋は近づいているのだとわかる少し涼しい風が吹いて桐ケ谷の髪をサラサラと揺らす。
「おーっす」
桐ケ谷は気軽な挨拶をしながら笹塚の部屋の玄関を開いた。後ろには南、刑部、惟世が続く。四人はそれぞれ両手に食材やお菓子や飲み物の入った袋をぶら下げていた。
どういう話の流れでそうなったのかは忘れたが、スタオケの年長者の男子たちで集まろうという話になった。笹塚の部屋なら防音がしっかりしているから集まっても問題ないとなり、場所がきまった。惟世がみんなで集まって食べる飯は鍋だろうと言い出し、まだスーパーで鍋つゆの売り出していないこの時期だが予定の合わせられた今日、六人で鍋をつつくことになった。大きな土鍋は笹塚が仕事関係の人間から引越祝いにもらっていた。今日初めて活躍の場を与えられる。
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