本気②箱根某所
箱根での任務は、山奥の高級老舗旅館に出る呪霊退治だった。
この旅館は、政界、芸能界の御用達らしい。
歴史のある建物には様々な想いが残る。今回は男女の絡れから生まれた呪霊だった。
任務は難なく終わったが、日はとっくに暮れていた。
「本日は、ありがとうございました。お礼と言ってはなんですが、日も暮れましたので、是非当旅館に宿泊してください。」
旅館の女将に丁寧に頭を下げられ宿泊を悩んでいると、隣の悠仁は目を輝かせている。そんな彼をみたら、迎えにくるはずの補助監督を断りの連絡を入れ、泊まることを選択した。
「どうぞ、こちらへ」と言われ案内されたのは、旅館の最上階に一部屋しかない、広い部屋。
「こちらは当旅館自慢のお部屋です。お部屋には露天風呂も付いております。どうぞごゆっくりお過ごし下さい。後ほどご夕食をお持ちいたします。」
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