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    銀鳩堂

    ここには草稿をポイポイあげて、溜まったら整えてpixivやカクヨムに移植しています。
    ツイステ二次創作小説の長編案が降りてきたので現在は主にそれを書いてます。
    pixiv⇨https://www.pixiv.net/users/68325823

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    銀鳩堂

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    ツイステのクロウリー学園長のあのセリフが気になって仕方ないのです…。
    あのチュートリアルモンスターも気になります。
    そこら辺を妄想してみました。

    #ツイステファンアート
    twistedFanArt
    #ツイステ+
    #ツイステ考察
    twisteConsideration
    #twst+
    #twst考察
    twstExpedition

    決してその手を離さぬよう──────轟音が轟く。
    ドーム型の建物全体がビリビリと震える。
    「あれ」が、暴れているのだ。
    再び、ビリビリと大気を震わせて咆哮が轟く。
    天井のシャンデリアがシャラシャラと音を立てて揺れ、パラパラと埃が落ちてくる。
    ああ、あんなに埃が。掃除をもっときちんとするようしっかり監督するのだった…。
    そんな想念が脳裏をかすめる。今はそれどころでは無いというのに。
    ここは鏡舎。我が学園の心臓部。
    「あれ」とは…突如式典に乱入してきたキメラのようなモンスターだった。



    今年は災厄の年だった。
    毎月のように寮長級の生徒がオーバーブロットし、現れた「化身」を倒してブロットに呑まれた生徒を正気に返す戦いで、学園は何度も破壊された。
    そして、今日。
    最大の災厄が学園を襲った、と、その時は思った。
    また式典に呼ばれなかったマレウス・ドラコニアがついにオーバーブロットしたのだ。
    もちろん、ただ呼ばれなかっただけでそうなったわけではあるまい。
    色々と見えない要素も溜まっていたのかもしれない。
    だがそれは起きてしまった。
    膨大な闇の魔力が開放され、強大な化身が出現した。
    一年前の学生たちなら、為す術もなかったかもしれない。
    だが、この一年の戦いを通して生徒たちも大きく成長していた。
    化身は倒され、マレウスは正気に戻った。
    鏡舎の床には、戦いで魔力の付きた生徒たちが累々と倒れていた。
    だが、死者はいない。不幸中の幸いだった。


    ……。

    ………と、思っていた。

    「アレ」が突然現れるまでは。



    今や、残った生徒たちが、次々斃れていく。
    学園の心臓、闇の鏡を守らんとして、戦い、力尽きたのだ。
    無属性の強力なエネルギーが開放され、ついに天井が吹き飛んだ。
    あの美しかったシャンデリアが、砕け落ちて地に塗れた。
    ああ。何ということだ。
    百年をかけて育まれた学園が、いま終わろうとしている。
    そして私の夢も…。
    麗しい悪の華を再び咲かせるという切なる願いも、また、ついえようとしている。
    また生徒が一人、倒れた。
    ああ、優秀で美しい子だったのに…。
    全滅はもう時間の問題だ…。

    駄目だ。駄目だ。駄目だ。

    駄 目 だ !

    生徒たちを救わなくては。
    …私の、夢を、救わなくては…!
    この忌まわしい陥穽を回避する道が…あるはずだ。
    だが、何かが足りないのだ。
    それは何なのか…。
    もう一度、やり直すのだ。
    今度こそ、上手くやらねばならない。
    今こそ、禁断の秘術を…!
    さあ、我が魔力のすべてを注ぎ込み、時の輪を回そう。



    そして、全てが消えた。






    鏡舎に一人の男が立っていた。
    余人は、居ない。
    男が、つ…と、闇の鏡に向かって足を踏み出す。
    その背にまとった黒い羽毛のケープが、さらさらと揺れる。
    もう一歩。
    そしてもう一歩。
    歩み寄りながら、男は問う。

    「ああ……愛しい我が君
     気高く麗しい悪の華
     貴女こそが世界で一番美しい
     --鏡よ鏡、教えておくれ
       この世で一番………」




    そして、あの子が、現れた。
    これが闇の鏡の答え。
    あの破滅を回避する鍵。
    あのモンスターが生まれることを、阻止してくれるであろう存在。
    私はその子の心に深く、深く、願いを埋めた。

    「   私に 彼らに 君に
       残された時間は少ない

     決してその手を離さぬよう──────」

    時の輪が、再び巡り始めた…。
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