魔法みたいなテスト対策「うわー、こんなの……ぜってえ無理」
エペルはそう言うと、教科書に頭を突っ込んだ。
もうすぐ、魔法薬学のテストがある。前回かなり赤点に近かったこいつは、次こそはと意気込んで俺の部屋まで勉強にきたはずなのだが……。
「おい、諦めるの早すぎだろ」
「この例題も全然わかんないし。え、こんなの習ってなくねえ!?」
そう言って逆ギレすると、エペルはほっぺたを膨らませた。
「そんなわけねえだろ。そもそもこの辺は、覚えてないと解けねえ問題ばっかりなんだ。お前、素材の名前とか性質とか全然頭に入ってねえんじゃねえか?」
「だって、こんなにたくさん覚えられるわけねえよ!! ……それこそ、魔法でも使わねえと」
まだ勉強を開始したばっかりなのに、泣き言ばっかり言いやがって。まったく、部活じゃもっと根性があるだろうに……。
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