Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    しおつき/干し

    二次創作アップ用です。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 19

    しおつき/干し

    ☆quiet follow

    エレン(猫)×ライナー(人)の出会い編
    (2023.2.25up)

    ##エレライ

    おまえはおれのもの① 仔猫のエレンは喉が枯れるほどミーミーと鳴き声をあげて鳴いていました。お腹がとにかく空いていて、けれども尻尾を振るのさえ億劫だったので、誰かに見つけてもらわないとどうにも助からないと思ったからです。いつもエレンにごはんをくれる父さんと母さんは、しばらく前に荷馬車にぶつかったっきり、ピクリとも動かなくなってしまいました。仕方なく、自分でごはんを探しまわってみたものの、未熟なエレンには羽虫1匹捕まえられませんでした。
     エレンはひもじくて眠たくて仕方なかったのですが、眠る前に大好きな青くて広い空を見たくなりました。
     重たいまぶたをどうにかあげてみると、目の前にはお日さまのような黄色いまん丸が二つ並んでいます。それは人間の男の子の瞳でした。
     男の子はおずおずとエレンに指先を伸ばしてきます。エレンはのろのろと近づいてくる薄桃色した肉の塊に、小さな牙を突き立てました。肉は以外と硬く、なかなか噛みきれなかったので、口の中に広がる血をチュウチュウと吸い込みます。
     少しは空腹がおさまったので、抵抗のない指先を解放してやりました。人間の男の子はエレンの顎下をくすぐってから、おもむろに立ち上がって、どこかへ行ってしまいました。
     エレンには男の子を追いかける体力がまだ戻っていなかったので、小さくなる背中を呆然と見つめることしかできませんでした。
     エレンはとてもがっかりしました。人間の子がずっとそばにいて、エレンの空腹を満たしてくれるのだと思っていたからです。
     エレンが何かを憎いと思ったのはこれが初めてのことだったので、どうして自分の胸がムカムカするのか分かりませんでした。
     空の色が青から橙色に変わった頃、エレンのもとにさっきの男の子がやってきました。男の子は欠けのある木製の皿をエレンの前に置きました。それから皮の水筒を取り出すと、その中身を皿に注いで、エレンを手招きしました。皿に満ちた白い水はエレンの母さんのお乳と似た香りをしていました。小さなベロを伸ばして舐め取ってみると、母さんのお乳を薄めたような味がしました。エレンが皿の底まで舐め取ってしまうまで、男の子の手のひらはエレンの背中をそっと撫で続けていました。
     それから数日、人間の男の子はエレンの元に訪れて、ごはんを与えてくれました。エレンがすっかり元気を取り戻し、小鳥や野ネズミを捕まえられるようになった頃。人間の男の子はぱったりと姿を現さなくなりました。エレンは必死に鳴き声をあげて人間の男の子を呼びました。エレンは自分で狩りができるようになったので、もう男の子からご飯をもらう必要はありません。薄桃色の指先が背中や顎下をくすぐる感触や、エレンを見つめる黄色い瞳。エレンにとってその男の子はそばにいるだけで満たされて、そこにいないだけで飢えさせられる存在になっていました。エレンには分かりません。男の子がどうして自分に優しくしてくれたのか。どうしていなくなってしまったのか。それまで知らなかった心地よさを覚えさせておいて、それを身勝手に取り上げた男の子のことが憎くてたまりませんでした。沸々とお腹の下から煮えるような心地がします。エレンはみっともなく鳴き声をあげて男の子に呼びかけるのはやめました。あちらが来ないなら、こちらから探しに行けばいいのだと気づいたからです。
     美しく育った黒猫は月夜に照らされて駆けていきました。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💗💖💖😼😼👏💕💞😻🐱😼💕😭😭😭😍😍💖💖💞💘💴
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    しおつき/干し

    DONESS
    スクカー軸のエレライが出会って付き合うまでの小話です。全年齢。三人称とエレン視点、ライナー視点が混ざっててカオスです。タップで全文表示されます。
    我慢がきかないティーンたち「本日返却したテストがE+より下の評価だったものは、明後日の4時間目終了後にこの講義室へ来るように。追試験を行う。NOじゃない。リベンジのチャンスがあるだけ感謝しろ。それでは解散」
     物理基礎クラスを担当する教師が教壇から冷たく言い放つ。禿げ頭の物理教師は、軍隊上がりで異様に厳しいことで有名だった。終業のベルが鳴って教師が出ていくと、第2講義室に集まっていたタイタンハイスクールの学生たちは抗議のブーイングを大きくもらしてざわつき始める。窓際の隅の席に座っていたエレン・イェーガーは手元の解答用紙に目を落とした。書き殴るように真っ赤なF+が記されている。エレンはため息をついて窓の外の青空をぼんやりと眺めた。周りの生徒たちはせかせかと教室を飛び出している。目的や夢を持つ学生にとって時間はいくらあっても足りない。そんな忙しい学生たちの中でエレンは浮いた存在だった。熱中してるものがなく、他人に話を合わせるのを嫌ったエレンには2年になっても友人も恋人もいなかった。両親は健在で、いじめられることもなく、大きな活躍で目立つこともなく、可もなく不可もない人生。劣等感を糧に奮起することも、艱難辛苦を味わって野望を抱くこともなかった。エレンの日常はスクールバスから眺める外の風景のように、突っ立ったままでいても過ぎ去っていく。
    13131

    recommended works