非童貞同士の411はアイドルだからなるべくスキャンダルを起こさないように信頼できる専用の業者もしくは同業者でさらっと性処理を済ませていたんだけど、ただの性処理であるはずの性行為を繰り返していくうちに(といってもそんなに頻度は多くない)女が一織くん…♡って今までとは違う雰囲気で絶妙にメロりはじめて、危機感を覚えて早めに手を打ちたいと考える一織。
さすがにみんなもう寝ているだろうと思いながら寮に帰宅し、静かに靴を揃えていると後ろから「おかえり」って声をかけられ、ぞくりと鳥肌が立って振り返るとスエット姿の環が立っていてじっと一織のことを見つめている。
「四葉さん…起きていたんですか」
「おー。……いおりん、おせえのな」
見透かされているような4の視線に思わず目を逸らしながら「明日も早いでしょう。早く寝てくださいよ」と環を横切ってそそくさと部屋へ戻ろうとした瞬間、ぱっと腕を掴まれて
「すげー香水の匂いすっけど、なんかあった?」
「香水、変えたので」
「いおりんはこんな匂いしねえよ」
って近くでですんと匂いをかがれたことにドキッとして「やめてください。四葉さんには関係ないでしょう。あと、兄さんや七瀬さんには言わないで」って離れて再び自室へ戻ろうとする一織に向かって
「ほーやっぱりな。いおりんもちゃっかりしてんだな」
ってからかうような環の口調に段々腹が立ってきて
「なんですかその目。あなただって、夜に出かけたきり寮に戻ってこないじゃないですか。せっかく私が…みんながオフで自由に過ごせるタイミングで、そうやって一人で出かけて…!」
って感情に任せて言ってしまいハッと我に帰る一織と、ふふん…みたいな顔して余裕そうに微笑んでいる環…。
「んで、寂しかった?」
「違います」
「みんなつったってさ、こないだいおりんしかいなかったじゃん」
「…知ってるなら言わなくてもいいのに」
「ごめん」
って頭ぽんぽんされて悔しいけどやっぱり四葉さんが好きだという気持ちを噛み締めてしまって複雑な一織と、一織のことが好きだけど一織からの好意は友愛だと思っているので黙っている環。の両片想い。