無題 はっきり言葉に出来たわけではなかったけれど、遠巻きに、彼女を見詰める度にそっと溜息を零していた。
────ああ、いいなあ、羨ましいと。
もし、もう一度。
この世の地獄に舞い戻るのならば、来世では。
おっす俺、元「五条悟」。
折角みんなで仲良く楽しく永ぁい夏休みを満喫していた筈が、何の因果かあっという間に一人切り上げ、現世に再び爆誕することと相成った。
なお、現在五歳。来年には、ピッカピカの小学一年生だ。
その為、ついこの間幼稚園で年長組に放り込まれたばかりなのだが、早々にランドセルを買いに近所のショッピングモールに連れ出される破目になった。
「いやはやくね? いくらなんでもはやすぎじゃね? まだ、ようちえん、そつぎょうしてないのに」
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