「にいちゃ〜ん、スライムくんとおともだちになったよ〜」
スライムを抱っこした悟天が嬉しそうに走ってきている、はじめての魔物との交流。
「すごいな、悟天。」
頭をなでる。
「にいちゃんがいつも、ほかのこたちとはなしているから。ぼくも、おにわにいたスライムくんにおはなししたんだよ。」
「うんうん。」
僕は、お父さんに話を聞きながらじゃないと、魔物との会話もできなかったから。
そう考えると、悟天は大物になるかもしれない?それまでには守りつつ勉強に励まないと。
いつも目の届くところで悟天を見守り勉強をして、僕の魔物たちにもお手伝いしてもらっている。
メタルスライムが最初の友だちだったなあ。
半分は、お父さんが追い詰めて、やっとのおもいで話しかけたんだった。
この子、素早さもあるので修行の手伝いもしてくれて、悟天が生まれる前から一緒にいる子の1ぴき。
そういえば、お父さんの知り合いの人が時々僕の魔物を見に来ていたけど?あの人には知られても大丈夫の様子だった。
「にいちゃん〜きょうね、またついてきたいって〜つれてきたよ〜」
「ん?」
んん!
スライムが、5ひきだ。
「庭にそんなにいたのかな?」
「なかまをよぶって、はっぴき?ふえるとおおきなスライムになったんだよ~」
「まさか、キングスライムまで玄関前にいるわけじゃないよね?」
「うん、ばいばいしちゃった。」
スライムたちは、合体したところを見せたかったみたいだ。
それにしても、多すぎるスライムたちをちょっと説得して2ひきまでにする。
悟天が面倒見るのには多すぎる数だから。
「ごめんね〜またあそぼうね〜」
「また、悟天と遊んであげてね。」
時々、悟天がスライムを増やしてお別れしてが増えてきて、目を離せなくなってくると勉強もできない。
でも、悟天の遊ぶ姿はかわいいものだ。
「悟飯ちゃん!来てけろーーー」
お母さん、の叫びに似た声が台所から響く。
悟天は庭にいるから大丈夫だと思い直ぐに向かう。
行ってみると、どこから入り込んだのか小さいサイズだけどキャタピラーがあらわれた。
「お母さんは、こっちに。」
「ありがとだよ、悟飯ちゃん。」
ムカデ系は苦手なお母さん、いつも僕が退治をする。
このサイズは素早く捕まえて庭に持って行く。
「にいちゃん、なに?」
「キャタピラーだよ、ちょっと悟天には••••」
スライムたちが、威嚇している。
この魔物は遠くに投げるしかないか。
「にいちゃん、おはなししたかったのに〜」
「あのタイプと仲良くしたら、お母さん泣いちゃうよ。スライムたちだって怒ってるよ。」
「う〜、みつけてもがまんするね。」
こうやって、いい魔物を教えていかなくっちゃ。
スライムを仲間にした悟天は庭でよく遊んでいるから、昼間は一緒に過ごして夜も食事とお風呂に入れる。
その後から、勉強をはじめる。
僕の目標は、魔物たちと共存できる世界のために。
しっかりと生態を学んで発表する。
色んな魔物の資料をノートに書きとめている。
お父さんに聞いたり、今まで戦ったそういうモノの特徴も記録して。
本当はもっと多くの魔物と話をしてみたいと思っている。
「今は、ここらへんにいる魔物ばかりだから、ほかにどんなのがいるか世界を回ってみたいなぁ。」
空も飛べるんだけど、悟天を置いていくわけに行かないからな。
「ふぁ〜眠くなってきた〜」
窓の外は月が出ている、昔のことを考えると僕も魔物の仲間なのかなって思う。
大ザルになって大きくなって、大暴れした記憶はないけど、そうなったって聞いたから。
となりで寝ている悟天の布団に今日は入り込んで寝よう。