真っ暗な世界で何かと戦う日々、何かの光に導かれた時には無くなったはずの神殿。
そして、ピッコロさんの姿。
「ピッコロさん••••」
「悟飯。」
ずっと会いたかったピッコロさんが目の前にいる。
その奥に、父さんも
「よう、悟飯!」
「父さんも。」
一人になった世界で、必死に生き抜いてきた
死ぬことができない呪のように、生き残る希望が絶望に変わっていっても、戦い戦って、一人になっても戦い続けて行く。
常に緊張し、気を抜くことができない。
誰もいない、その世界
疲れきった時に見えた光に
この場所にいる、俺はやっと死んでみんなと出会えたんだと喜びに涙があふれた。
「服もボロボロだなあ〜」
「これでいいだろう」
父さんのあとにピッコロさんの魔法?魔術で道着が綺麗になる。
「よか、った••••」
今までの緊張が切れて、意識が遠のいた。
神殿は空に浮かぶ場所、地球の神様がいるところで普通の人は平気で来ることができない。
幼い俺はここにいるピッコロさんに修行をつけてもらって強くなって。
いや、過去のことなんて振り返りたくはない、今は。
「俺は、やっと。」
部屋は神殿なのか?ベッドに布団をはいで、部屋を出るといい匂いにお腹が鳴る。
そこに向かうと、
「孫悟飯起きたか?」
「ポポさん。お久しぶりです。」
「今、食事、作ってる、あっちで待っている。」
「はい。」
あっち、みんなが集まっている気配のところに向かうと外に出る。
まぶしい光がある。
そうだ、あそこは真っ黒な雲に覆われて••••
考えないようにして、
また、中に入ると食堂になっている場所に父さんとピッコロさんにデンデもいる。
懐かしいメンバーで嬉しいはずなのに
「悟飯、こっちに座わ、んだ〜ピッコロ〜」
ピッコロさんが立ち上がり隣に座るように椅子に手を、ちょっと俺が照れくさい。
「はい。」
隣に座る。
「んじゃ、悟飯が悩むめぇにピッコロから説明があるからな。」
「おい、孫。親子で話をすると言っていたじゃないか?」
「そこに座らせたんだ、ピッコロが説明するんだろ?」
この場所にいる、理由。
「ま、まずは。オレは悟飯が知っている悟飯ではない。ここは、悟飯の世界からだと過去の世界だ。ここには、もうひとりの悟飯がいる。時代は、セルを倒して数年後というところだろうか。」
「そうですか。」
「そっちでは、トランクスがセルを倒したことになっていると思う。」
「(ちがう、人造人間も魔人も俺が倒した。)そうなんですね。じゃあ、俺は?」
「ピッコロ、ちょっと悟飯の話をきぃてみてぇなって。おもうな。ここに来る時どうだったんだ?」
父さんの感の鋭さは、嘘をつけない。
「俺の世界••••では、地上は戦いで汚染され住める環境ではなく、黒い雲に覆われて草木動物も地下に避難し生き残る人類も数千人。生きる希望も失われ死を待つばかり。どこかしらか現れる敵を倒しに地上にあがり戦って戦って。人類もいなくなっても戦って。気づけばひとり何もない世界にいました。」
そう、生きる絶望を味わっている。
「みなさん、俺が看取ったんです。戦いの中で気づけばひとりまたひとりと倒れていく。一緒に残ったトランクスもいつの間にか。」
戦いの記憶も曖昧だが、敵と呼べるモノを倒して。
「そんな世界でした。」
「そうだったんか、苦労したな悟飯。でな、」
父さんのねぎらいの言葉のあとに、ピッコロさんに合図で、ちょっと嬉しいな
「悟飯•••ゴホン、実は•••ドラゴンボールの影響でな、呼び出したようなんだが、そんな世界ならこっちです、すめば。いいんじゃ、ないのか?」
「おらちに、来いよ悟飯。チチも喜ぶぞ。」
それは、嬉しい提案だけど。
「ここには、俺がいるって。」
「ちょっと、手伝ってほしいことも、あるんだ。おらも、時々しか帰れねぇから。助かるかだけどよ。」
「片腕なくて、父さんの修行はつとまらないかと。」
「ん〜おらじゃなくてよ。」
話の途中でいい香りがしてくる。
ポポさんとデンデが食事を運んでくる。
こんな量の食事は、見たことがないくらいで
「食ったあとな。」
「はい!(父さん、さすがにサイヤ人の食べっぷり懐かしい)」
懐かしい気持ちで食事
「(ピッコロさんにデンデはナメック星人だから、水ばかりなのかな。)もぐもぐ。」
「悟飯、もぐもぐ•••おら、おめめにおっておかなきゃもぐもぐ(おめぇに言っておかにゃきゃ)ならねぇっことがあるんだ。」
「何ですか?父さん。」
もぐもぐしながら、ピッコロさんに振るのやめてほしい。
「今までの世界と違う、デンデ何か頼む。」
「え?っと、ボクたちは、宇宙人で魔物もいて別世界の干渉も受けて、今は、平和ってくらいしか。ここの悟飯さんは勉強に励んでます。」
「ナメック星から来ていることは、俺も記憶しているし父さんもそりゃ宇宙人だし。恐竜みたいなの普通にいたし、別世界って俺のことかな?」
「さすが、悟飯だな〜おらより、わかってる。でな、母ちゃんが言うにな、おらは魔物使いって言うんだ。」
「は?」
魔物使い、母ちゃん?かあちゃんって!惑星ベジータってフリーザに壊されたんじゃ。
俺だけ生きているって考えて、小さい頃に来たトランクスを考えるんだ。
ん?そんなこと、あっただろうか?
この世界の来て、幼い時の記憶や子供の時未来からトランクスは来たことがない。
だから、父さんは、死んで••••
「こいつは、ホイミスライムちゅう魔物で、悟飯に預けるぞ。」
ふわふわ、青い顔の?大きな目がふたつと、口、ゆらゆら手なのか尻尾なのか、触手がいっぱいある
「と、父さん•••ピッコロさん!」
左側に来る、逃げるようにピッコロさんへ
怪しいのが〜
「大丈夫だ、悟飯。ホイミスライムは刺したりはしない、しびれクラゲと違う。」
「なに、怖がることねぇぞ。悟飯だから似てるなぁ〜」
ぴと、
左肩に乗るよう、手も絡めてくる。
目をつぶる、怖くない•••
傷跡を触ってくる、
唾液を飲み込んだ。
振りほどきたい、気弾で吹き飛ばしたい、
でも、目の前には隣には父さんとピッコロさんがいるから、
口もとに何か押し込もうとしている
「悟飯、口を開けてやれ。」
あー
「ん、もぐもぐ。」
目を開けると、次々に目の前の肉やら野菜やらをいろんな手で口に入れようとしているのが見えた。
「しんぺぇしてるんだな。いっぺー食わねぇと。」
口に放り込まれる、
「そんなに早くは、無理!」
息継ぎをしながら、このホイミスライム?に言う。
何か口が訴えているよう
「こいつは、もっと食べろって言っているが。悟飯、聞こえないのか?」
「わからない。俺だけ聞こえない声?」
父さんとピッコロさんが顔を合わせて最後にデンデにたどり着く。
「たぶんですが、悟空さんとボクとピッコロさんポポさん、悟空さんのおばあさんの血を引いている家系であれば、ホイミスライムやほかの魔物との交流や会話が可能なんですが。一般の方には聞こえないと思いますから、未来から来た悟飯さんには。」
そうだった、少しの間なのに忘れそうになるところだった。
俺は、別の世界の未来から来た、悟飯なんだ。
だから、この状況も受け入れて行かないといけない。
デンデの言葉を思い出しながら、俺は一般人で、
「わかりました。そうなると、」
ここで話したことは知られたくないことであり
「これは秘密にもなるわけですね。」
「はい。」
ふぅ、ひと呼吸。
この生物も種族が、違うだけで生きている仲間、俺のまわりにはいなかっただけで、ここの世界にはいるんだ。
ホイミスライムも守っていく仲間なんだ。
「ホイミスライム、さっきは悪かった。父さんから預かったからには、俺が面倒を見るからよろしく。」
それでも、無数にある手、触手は怖いものもある。
ちょっとおそるおそるに手を出すと握り返してきた、ぷよぷよでちょっと心地良い。
けど、手が肉汁でべとべとになっていた。
「面倒、見てやってくれよな。」
その時の、父さんの言葉はどっちに言ったのかわからなかった。
食事後、
ホイミスライムは常に左の肩に。
もしかして、左腕ないからサポートしてくれるのかなっておもう。
「食ったし、ちょっと身体動かすぞ。」
「はい。」
父さんと身体を動かす。
広場まで出てくると、ホイミスライムはゆらゆらデンデに、前に父さんと後ろにピッコロさん。
2人相手?
「いくっぞ!」
「!」
構える前に、目の前に父さん。
後ろから、ピッコロさんの攻撃••••
横に飛ぶも、追いつかれる。
意識が飛んだのは、どのくらいぶりなのか。
ベッドで目を覚ました。
ふわふわホイミスライムがいるところから、いろいろ夢じゃない、ここにいるのが夢なのかもしれないけど、父さん達には勝てなかったってことだ。
「そうだよな。」
「何がだ?悟飯。」
「父さん!」
「目ぇ覚ますの待ってたぞ。」
頭をかく、
「父さんが、強いんですよ。ピッコロさんもすごいな。」
「悟飯、おめぇにおねげぇがあるんだ。」
「急に、俺で役に立ちますか?」
「おめぇにしか、できねぇんだ。」
父さんが、そこまで言うお願いとは。
「とりあえずな、家に行くぞ。」
引っ張られながら立ち上がった瞬間に、場所が変わる。
「んん?」
ふらついて、父さんにしがみつく。
「瞬間移動だ。で、ここがおらたちの家だ。」
「懐かしいような、家。」
「おらがとりあえず、伝えっから。中に入るぞ」
緊張と
不安
「帰ったぞ。」
父さんのあとに続くも、
「悟空さ、おかえりだ。」
母さん!
生きている姿、涙をこらえる。
「チチ、驚くなよ、悟飯だ。」
「悟飯ちゃん?」
母さん•••
そう言いたい、でも俺はここの悟飯じゃない。
「チチさん、はじめまして。俺は、」
「そんな言い方するでねぇぞ!悟空さからは聞いているだ!悟飯ちゃん、おら、今後も他人みたいにしたら怒るだよ!」
涙がこらえきれなかった。
「母さん•••」
母さんがそばによって俺に抱きつく。
その頭を抱きしめた。
「お父さん、おかえりなさい。さっきの話の、僕ですね?」
僕?
顔をあげると、俺に似ているようで似ていないような青年に出会う。
ホイミスライムはどこかしらから出したタオルで俺の顔を拭く、もっと優しく拭いてほしい。
「はじめまして。」
「これからよろしくお願いします。未来の僕。」
「あ、よろしく。」
さっきの話していたということは、俺が気絶をしていた時に話ができていたということになる。
父さんは、瞬間移動でいちどここに来て、俺を連れて来たってことだ。
「じゃあ、みんなで飯でも食うか」
「悟飯ちゃん、手伝って••••悟空さ、どうするべ。」
「そ、そうだなぁ〜。」
「俺は、何て呼ばれても•••」
「未来の僕だって悟飯なんだから。」
「未来の悟飯ちゃんって呼ぶからな。ホイミスライムもいるべ手伝ってけろ。」
「はい。」
ちゃん、って呼ばれるのも懐かしいな。
台所に向かう途中に、部屋に誰かいる気配もあったが気にせずに手伝いに。
「これと、これを。」
「はい、ホイミスライムも持ってくれるのか?」
ふわふわと持って行く。
俺もひとつ持ってテーブルに置く
「?」
ひとり男の子が、父さんと同じ頭の
「父さん、この子は••••」
ここの俺にしがみついている。
「ほら、自己紹介。」
「うん、こんにちは、みらいのごはんさん。ぼく、そんごてんっていいます。」
「おらの息子だ。おらの、悟に天って書くんだぞ」
父さんが生きていれば生まれていた、俺の弟。
「悟天くん。」
胸が熱くなる。
そうか、未来が続いている。
生きて来てよかった。
生きて、よかった。
希望がここにある。
悟天にであった時の想いが
今も多分ずっと
これからも
この世界で俺の生きる希望になった。
「にいちゃん、スライムくんが〜あそびたいって。」
「またそんなに連れ帰ると、母さん大変になるぞ。」
「う〜、ばいば〜い」
「さあ、帰ろうか?」
「うん」
いつもの時間がずっと続くことを
悟天に出会えて本当によかった。