OLみっち、お使いへ行く「カクちゃん!」
「よお、タケミチ。わざわざ悪いな」
「ううん。カクちゃんこそ忙しいのにありがとう」
迎えに現れた男の顔を見てホッとした。何せ初めてのお使い、しかも場所が場所だ。
受付で名刺を差し出し、名乗る時には無茶苦茶緊張した。もしかしたらボコられるんじゃないかとかなんとか。
いや、反社じゃあるまいしそんなはずはない。
自分に言い聞かせながらおかけくださいと示されたソファでじっと待つこと十分。
迎えにきてくれたのはつい先日、偶々再会した幼馴染の男だった。
「迷わなかったか?」
「大丈夫。近くまで送ってもらったから」
「そうか。相変わらずマイキーは過保護そうだな」
「そんなことないよ。まあ、オレ一人だと無事に辿り着けたかは不安だったけどね」
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