考えてないんです(にっこり皇太子妃レーナさんと若き大将軍シンくんのお話です
皇太子から一切の寵愛をも受けられずにいるレーナさん。さらにはその皇太子からは「化け物」と呼ばれる。
諸々の原因で皇太子と結婚はしたものの結婚の儀だけでなく、王宮に来てからずっと一人で過ごしていた哀れな皇太子妃である。
「なんとかしないと」といつも侍女に言われているがレーナさんは屈しない態度。
「この身もこの心もあのような男に差し上げるつもりはありません」という。
それでもレーナの美しい容姿で他の妃から忌み嫌われ色々いやがらせを受けつづけています。さらには他の妃からは「皇太子からの寵愛を受けてる」と勘違いされていやがらせは酷くなる一方。
ある日レーナさん落水した。むろん自分が望んで落水したわけではなく。
通りすがりの将軍殿に助けられたが。
平然と自分の着物を乾かしてる妃を身の前にすると思わずこう思ってしまった。
「随分とかわった妃さまだ」
けれど口から零れてしまったそれを耳にしたレーナは特別に嫌な気分になれなくてふんわりと笑った。
「そうでしょうか。そうやってわたしを評価したのはあなたが初めてですね」
ふと。
見っともない恰好なのに。びしょ濡れで化粧もなにやら溶けてしまっていても。
なんだかとても美しく見えたのだ。
それが二人の出会いである。
続く。
さてわたしはイラストの続きをしますか…