「いつまで笑ってんだよ」
「わらってないよぉ…」
「どっからどう見ても笑ってんだろ」
肩を震わせひぃひぃ言いながらも、チェカは必死に笑い声を噛み殺していた。ベッドに腰かけて笑い転げるチェカのすぐ目の前には、呆れや怒りの陰にほんの少し恥ずかしさを覗かせたレオナが立っている。
二人の寝室で、二人が向かい合って話しているなんて、よくある日常の一コマだった。ただ一点を除いては。
「ったく。満足したならもういいだろ」
「待って!やだやだ!まだ満足してないから!だからまだ脱がないで」
「なんでだよ」
服を脱ごうとするレオナの手をチェカは必死で捕まえて、もう少しだけと急に弱弱しい声で懇願した。そしてレオナの姿を見て、もう一度にんまりと笑う。
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