ウスパパがロナ君を庇ってくれるふざけるなこの屑!!
我が子も可愛がれないなど獣にも劣るわ!
ましてや親面だなど言語道断!
親とは愛を以って子を慈しみ、その命と笑顔を護るもの。産ませただけの種が親面など片腹痛いわ!
この子はヒトの身ながら我が一族の末席に座る仔、我が竜の血族となる仔だ!!
よって私はこの子の父、この仔は我が子よ!
さぁ我が仔に仇なす愚昧の輩よ
その腕振り下ろして彼に傷の一筋でも付けてみろ。
竜の一族白銀の狼が何処までも追い詰め、骨も残さず喰らってくれようぞ!
本気モードでキレ散らかして追い返した後、、、
ハッと気付いて
済まない
ロナルド君にとっては実の親だったのにな…
貶した挙句かなりバッチリした畏怖ムーブかました上追い返してしまった。
それについては謝罪する。ホントごめん。しょんぼりウス。
親父さん、ありがと。
俺、怖くて。凄く怖くて。もう俺の方が絶対パンチとか強いのに、昔を思い出しちまうと駄目でさ。怖くて。目も合わせられない位だったんだ。
本とか出して、シンヨコでちょっとは有名にはなって来たけどロナルドなんて名前でやってたら、見つからないと思ったのに。
どうせ育った俺の顔なんて、分かんない筈だから、見付からないって、油断、してて。
でも。でも、電話、かかって来て。
事務所来て欲しくなくて。
でも、親、だから。
俺、親、孝行、しなきゃ、だと思って。
お金とか、振り込んでて。
でももう。
ドラ公とか居るし、ここ引き払いたくないし、もうそんなのやめにしなきゃだって思って、
もうやだって言ったら、事務所に。
恥ずかしいな、
俺オトコなのに、
泣きそう、で、
泣いていい。思い切り泣いていい。
あの親はもう死んだものと思いなさい。
その為の死別の、弔いの涙だ。
男も親が死んだ時くらいは泣いてやるものだ。
それでポールはもう、ウチの子だから。
トラウマになってるオッサンなぞもう無視するんだぞ。
ウン… 親父さん、骨とかのが好きなの?
さっきのは啖呵だし私は古の吸血鬼だぞ普通に血液が好きだわ!!
その日、ウスパパのところにフクマさんから電話が掛かってくる。
この度は我が社の期待の作家であり退治人のロナルドさんを助けて下さいまして、誠にありがとうございました。
まさか人と争った事もある古き血の方が、退治人を助けるとは…
実に意外性がありましたが。
何にせよ良かったです、これ以上ロナルドさんに負荷が掛かってしまうなら、何か手を『考え』なくてはいけなくなるところでしたから。
助かりました。
この世の理のモノではあるまいに気にするのか。
ええ、とても大事な作家さんですので。
なら何故害悪を放置した。あの子はあのままなら精神を病んでしまうところだぞ。まぁウチの息子もついてるし大丈夫だと思うが…。
作家に波乱の人生は不可欠、とも言えますので。
食えん怪物に魅入られているな、アレを追い払うのは骨だぞドラルク、
と思いながら切れた通話先を眺めるドラウス