ペットになりまして。灰谷竜胆は疲弊していた。
シノギの管理、みかじめ料の回収、某君の様な兄の世話や後始末、ラットの処理……etc etc
あきらかな業務量過多。既に同じワイシャツで二日も過ごしており、疲労困憊。竜胆に宛てがわれたデスクには命の前借りとして空になったエナジードリンクの空き缶が何本も転がっていた。
真っ赤に充血した目を閉じコメカミを揉む。今月はいつにも増して多忙な日々をこなしていた。これも全てのらりくらりと自由気ままを謳歌している兄の所為なのだが、既に上司二人が兄に対して匙を投げている為必然的にその尻拭いを弟である竜胆が行う羽目になっているのであった。
「……終わった……」
デスクに突っ伏し長嘆を溢した。ようやっと仕事の目処が着いたのだ。これで数日振りに自宅に帰れると緩んだ思考と比例する様に一気に体の力が抜けていく。
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