無題「はぁ…なんとも悪趣味ね、私たちをまたこんな場所に送り込むなんて」
「……」
オレたちは、また東京に来ていた。とはいえ、前のような精神世界での話ではない。微小ながらもカルデアがしっかり観測している特異点だ。
『え、マリーオルタ今『また』って言った? キミ新宿にいなかったよね?』
「…なんでもないわ。それよりも、目的は聖杯の回収ってことでいいのよね?」
「うん。適正が一番あったのがマリーオルタだったからね。よろしくね、マリーオルタ」
人混みの中、そういいながらオレは彼女に手を差し出した。
「…えぇ。今は貴方のいうことを聞いてあげる。差し当たって、その格好は何?」
「あ、これは…なんかみんなに着させられてね…」
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