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    ふゆふゆ

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    ふゆふゆ

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    書ききれなかった残骸供養
    白騎士組×黒騎士組(🌟🎈/🥞☕/🍜🎹、そしておまけの🎀🎨【🎨は絵描き】)

    その日、王宮騎士団団長であるツカサは、女王メイコの命で王宮に訪れていた。

    「隣国に怪しい動きが?」
    「ええ、そうなのよ。」

    赤のドレスが美しい女王はふうと頬に手を当ててため息をつく。

    「だから悪いけれど、ツカサくんの隊のトウヤくん、ルイくんを先行で偵察に出したわ。あとからカイトとミクにも合流してもらう手筈になっている。」

    後からの報告になってしまってごめんなさいと申し訳無さそうにした桃色のストレートが美しい大臣のルカにツカサはいえと言葉を発した。

    「我々は別の任務で今朝方帰国したばかりですから。それにこの国を守るのが我々の使命です。不安因子の解明が急務ですので。」

    そう。と眉を八の字に下げた大臣にツカサは再度苦笑した。
    もう下がっていいわと言う言葉に深々と腰を折ったツカサは王室から出た。

    (今朝方任務から帰ってきたオレたちはこれからオフだから、家で休息を取ってから夜にルイと久々に食事でもと思っていたのだが、仕方ないな。なら鍛練をするか。サキはホナミと旅行に行っているらしいからな。)

    王宮の廊下を歩きながら、ぼんやりと考える。
    この時、サキが何処へ旅行へ行っていたのかを聞いていなかった自分をツカサは責める事になるが、この時のツカサはまだそれを知らない。
    鍛練場へと足を向けたツカサが中庭を通ったら掛ける声が3つ。

    「あ、隊長だ~!!報告終わったの~?」
    「お疲れ様ッス。」
    「お疲れさまです。」

    こちらに向かって手を振るのは私服のミズキと軽く会釈してくるアキトとシホだ。

    「ああ、アキヤマとアキト、シホか。お疲れ様だな!」
    「隊長は今からオフ?ボクはこれからエナとカフェに行くんだけど!因みに弟くんとシホちゃんはたまたま会ったんだー!」
    「任務後だと言うのにアキヤマは元気だなぁ!!そのつもりだったんだが、鍛練をしようと思ってな!!」
    「ツカサさんも鍛錬って元気ですね…。」

    唖然としているシホとあれ?終わったら先ずルイ抱き締めるって言ってなかったっけ?二週間ぶりだからと首をかしげたミズキに先ほどの女王からの話を話す。
    それに伴いアキトの顔がげんなりとしていき、最終的に大きなタメ息をつく。

    「通りでトウヤが何処にも居ねぇ訳だ。」
    「弟くんもトウヤくん居なくて残念だったねぇ。」

    口元に手を当ててにんまりと猫のように口角を上げたミズキにアキトは眉をひそめる。

    「それ辞めろっつってんだろ。」
    「わ、こわ~い。」

    睨むアキトにちっとも怖く無さそうにミズキは笑う。
    小さく舌打ちしたアキトにツカサは肩を竦める。
    (アキトもトウヤに会えるのを楽しみにしていたからなぁ。)

    「まあ元気を出せアキト!トウヤたちが帰ってきたら一緒に休暇を取らせてやるから!!」

    はぁと大きなタメ息をついたアキトがぐしゃぐしゃと髪をかき回したと同時、そこに聞こえてくるのは、ミズキを呼ぶ声。どうやらミズキの待ち人が来たらしい。アキトの実の姉でもある彼女はこの王宮のお抱え画家だ。

    「あ、エナ来た!ごめんね、二人とも~、ボク行くね~!隊長も鍛練はいいけど無理はしないようにね~、帰国したばっかなんだから!」

    またね~とひらっと手を振ったミズキが待ち人の所へ駆けていくのを見送る。
    この場にアキトと共に残されたツカサはアキトとシホに問う。

    「二人とも共に鍛練でもするか?気分転換になるかも知れんだろう?」
    「…やることなくなったし、いいっスけど。」
    「私は少し用事があるのでこれで失礼します、ツカサさん。」

    そうか、分かった、シホもしっかりと休むんだぞ?と言うツカサにシホははいと頷く。離れていくシホを見送って、また盛大なタメ息をついたアキトと共に鍛練場へと向かう。その際にレンとも会い、レンも共に付いてくる。
    その日は1日アキトとレンと鍛練をしたツカサが自宅へ戻れば、サキから電子メールが届いていた。

    「ふむ、体調を少しだけ崩してしまったから、もう少し滞在すると。今すぐにでも迎えに行きたいが…まあホナミもいるから大丈夫か。」

    ふぅと小さくタメ息をつきツカサは分かったと返信した。
    これもまたもう少し突っ込めば良かったものの、ツカサはそのままにしてしまい、これも後の祭りだった。
    それから数日、ルイからの報告書にて、戦が始まると一言。
    それから隣国の偵察をしている筈のメンバーとサキからの連絡がパタリと途絶え、直ぐに戦が始まった。
    全員の安否を確認出来ぬまま拮抗している争い、そしてまた暫く、こちらが劣勢になり、女王の命にて前線に乗り出した、ツカサの隊はそれを見る。
    今のこれは現実なのか、この場に居る誰しも認めたくないだろう。
    何故、何故、あちらの軍勢に。

    「な、んで…?」

    小さく呟くはレン。
    トウヤ、ルイ、カイト、ミク、そしてサキが居るんだ…とツカサは唖然とした。それはミズキ、シホ、アキトとて同じだろう。
    グルルと唸り咆哮を上げるはトウヤの使い魔であるドラゴン。

    「やっと来たみたいだね。」

    クスリと笑みをこぼし、剣を構え戦闘体勢を取るミク。

    「随分と遅かったね。」

    ニヤリと笑い、銃口をこちらへ向けるはカイト。

    「お兄ちゃんたちは王宮直属だから、メイコ様守らないといけないもんね。」

    こちらを嘲るように笑うはサキ。

    「お久しぶりですね、ツカサさん。」

    整いすぎた笑みを浮かべトウヤ。
    そんなトウヤにドラゴンがすりと甘えるようにすり寄る。

    「………。」

    そして、喜怒哀楽を感じさせない無機質な表情、人形のようにこちらを見ているルイがそこに立っている。
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