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    ふゆふゆ

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    ふゆふゆ

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    こちらも白黒騎士で書ききれなかった分
    こっちは悲恋になる予定でした、前提は🌟🎈と🥞☕ですが、書けてるのは🥞☕の途中までですね
    どちらも相討ちでお互いに凭れ掛かって幸せそうな顔で亡くなるのが書きたかったんですよね…来世では幸せになりたいみたいな感じ、けどそこまで辿り着かずです。

    これは運命の悪戯か。はたまた必然か。

    「トウヤ…?」
    「っそ、うか、そう、だったんだな…。アキトは、そちら側だったんだな。」

    唖然とするアキトと一瞬目を丸くした後、悲しそうに目を伏せたトウヤ。

    「ごめんね、ツカサくん。騙すつもりはなかったんだ…。」
    「嘘だろう!?嘘だと言ってくれルイ!!!」

    今にも泣き出しそうな顔をして笑うルイと悲痛に叫ぶはツカサ。

    これは運命の歯車によって出会い、そして別れた二組の話。

    アキトとトウヤの場合

    出逢いは突然に訪れる。
    その日、休暇を貰っていたアキトが偶然にも街外れの森まで来てしまったのには理由があった。
    日課の鍛練の途中。子どもが森を見て泣いていた。

    「どうした?」

    素通りも出来ずに子どもに話し掛けたアキトに子どもはペットの猫が森に入ってしまったとのことで。
    森に入るなと親に言われていた子どもは、入れずにその場に立ち往生していた。
    森の中には確かに野良のモンスターも多く、故に危険なモンスターも多い。
    このままじゃペットが死んでしまうと泣く子どもに諦めろなどと血も涙もないことは言えず、オレが探してきてやるとアキトはペット探しを引き受けた。
    ペットの特徴と名前を聞き、その場で待ってろと森の中に入ったアキトは出来るだけモンスターとの戦闘を避けつつ、ペットを探していた。
    みぃみぃとか細く鳴く声を辿れば、開けた場所に出た。
    鳴き声はこの近くで聞こえていると耳を澄ませば、木の上で鳴いていることに気づけたアキトは木に登って降りれなくなったかと当たりをつけて、その木に近づけば、木の根元に人が立っており驚く。まさかこんな森の中に人が居るとは思わなかったからだ。
    思わず声を掛けようとすれば、その人物は困ったように木を見上げている。

    「どうするべきか…。」

    ポツリとこぼす声を聞き取り、アキトはその人物に声を掛けた。

    「木に登って猫を回収すりゃいいだろ。」
    「え?」

    掛けられた声にその人物は驚いたようで振り返る。
    顔が随分と整っている、メッシュの入った髪と左目の下の黒子が印象的だった。

    「どけ!」
    「あ、ああ。」

    トウヤはアキトの言葉で木から離れる。そのまま木に登ったアキトは猫がいる枝を揺らさないように猫を回収した。
    子猫だ、やはり降りれなくなっていたらしい。
    猫を抱えたまま、木から飛び降りたアキトにトウヤは近づいてくる。

    「すまない、俺は高いところが苦手で助けられなくて困っていた。助かった。」
    「なるほどな、それなら仕方ねぇか。」

    申し訳なさそうなトウヤに何故木に登らなかったのか分かったアキトは苦笑する。

    「まあ元々この猫探してたしな。」
    「そうだったのか。良かったな。」

    ふわりと微笑み猫の顎を撫でたトウヤと撫でられてみぃと鳴いた猫は怪我もなくて無事なようだ。

    「俺はトウヤと言う。お前は?」
    「アキトだ。」

    そうか、アキト。よろしく。と手を差し出して来たトウヤの手を握り返し、よろしくとアキトも挨拶をした。これがアキトとトウヤの出会いだった。
    その日はこの子猫の飼い主である子どもの事もあり、直ぐに別れることになったが、猫を子どもの元へ送り返したアキトは先ほどの木のところに戻ってみた。
    流石にトウヤはその場におらず、少しだけ残念に思ったアキトはこの日から休みの日はトウヤと出会ったあの木の所へ訪れるようになった。やはりそうそう会えるものでもなく、けれど諦められず通い続けた結果。

    「トウヤ!!」
    「アキト?」
    「まさか本当にまた会えるとはな。」

    その日、トウヤはそこに居た、本らしき物を抱えて、周りにはこの森の野生の動物が集まって、各々に寛いでいた。
    この日を境にアキトとトウヤは度々、この木の下で逢うようになった。
    どこの国とかそんなはどうでも良かった。ただ共に同業なこともあり、話もよくあった。
    もっと正確に言えば、同業とは少しだけ違ったが(アキトは騎士だが、トウヤは魔獣使いだった、だが他国とは言え国に遣えているのは同じだ)アキトとトウヤはお互いの隣が居心地が良かった。
    その束の間の逢瀬で、お互いが意識し出すのも必然と言えば必然で。

    「トウヤ。」
    「何だ、アキ…っ!?」

    ちゅっというリップ音を受けて、トウヤは目を丸くする。
    アキトは思わずキスしてしまったことにより、内心青ざめていたが、じわじわと顔を赤くしてふにゃりと笑うトウヤの言葉に思わず抱き締めた。

    「何だろうな、とても嬉しかったし、幸せだ。」
    「っ!トウヤ、おま、それはずりぃ!!」
    「アキっ、「好きだ!!お前が!!」

    驚いて声を上げたトウヤにその勢いのまま告白をしたアキト。それにまた一瞬、目を丸くしたトウヤだったが、アキトの背中にトウヤの手が回る。
    それにぷつりと切れた理性と共にその場にアキトはトウヤを押し倒していた。思わずトウヤの服に手を掛けていたアキトにトウヤは赤い顔で戸惑いながら声を掛ける。

    「あ、アキト、ここでか…?」

    それにはっと我に返ったアキトが悪ぃ、思わず…。とトウヤの胸元に顔を伏せる。
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