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    かさい

    @kasaibw

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    かさい

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    🍗🍭。追いかけっこ。

    追いかけっこ 雨上がりの空の下。

     アッシュにイタズラを仕掛けたビリーはいつもの様に追いかけっこをしていた。

     サイバーストリングスも使い縦横無尽に逃げ回るその背を、アッシュは飽きもせず追いかける。

    「コラ待てクソガキッ」
    「ふふーん、待たないよ〜だ。」

     そんなやりとりをしながら、ビリーは2階程の高さにある手すりに着地する。
     しかしそこから踏み切って移動しようとした瞬間、手すりが雨で濡れていたためか上手く踏み切れず、うっかり足を滑らせてしまった。

    「うわっ?」
     落ちた衝撃に備えるため、咄嗟に目をぎゅっと閉じた。

     しかし予想していた痛みは無く、そっと目を開くと、先程まで自分を追いかけていたアッシュが身体を抱き止めてくれていた。

    「んの馬鹿がッ・・・」
    「サンキューパイセン、ナイスキャッチ♡」

     軽い調子で返すビリーに対してアッシュは眉間に皺を寄せ溜息を吐く。

    「…..テメェは器用な癖になんでそんなに落ちるんだよ。 注意散漫だ、もっと用心しろ。」
    「えー、そんなに落ちてるかなぁ......。 けど注意してれば防げたことだし、これからは気をつけるネ!ご指導ありがとうございマス、アッシュパイセン♪」

     指摘を受けたにも関わらず、何故か嬉しそうにする姿を見たアッシュは思い付いたとばかりににやりと笑った。

    「折角だ、このままトレーニングルームに行くぞ。みっちり扱いてやる。」
    「えぇ〜〜っ!折角のおやすみなのに〜!」
    「俺にちょっかいかけるくらいだ。どうせ暇してんだろ?」
    「まぁ確かに暇だったけど.....。」

    多少不満げな様子だが助けて貰った手前、断る事はしなかった。

    「ならさっさと行くぞ。」
    「は〜い。……ところでもう降ろしてほしいなぁ。」

     そう告げるビリーは現在、アッシュに受け止められたままの格好。
    俗に言うお姫様抱っこの状態であった。

    「………逃げるかもしれねぇからこのまま連れてっ
    てやる。むしろ俺直々に運んでやるんだから感謝しろよ?」
     ニヤリと意地悪そうに笑うアッシュは、この状態を楽しんでいるのか、降ろさずそのまま移動するつもりらしかった。

    「えぇ〜〜!!自分で歩けるからいいってば!逃げないから降ろしてよ〜!!」
     地面に降りようと腕の中でジタバタもがくビリーを無視して歩き始めたが、流石に鬱陶しく感じたのかアッシュはビリーの耳に顔を寄せた。

    「いいから黙って大人しくしてろ。… いい子に
    できるな?」
    「ふぇっ!?」

     突然甘い声音で囁かれるとは思わなかったビリーは奇声を発した後、硬直して動きを止めた。
     その顔は側から見てもわかる程真っ赤に染まっていた。

    「はっ、ちゃんとやれば出来るじゃねぇか。」
    「うぅ......、暴君・・・・・・。」

     ビリーの反応を見て面白そうにするアッシュに対し、悔し紛れの悪態を吐く事しか叶わず、大人しく腕に抱かれたまま移動を余儀無くされるのであった。
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