Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    かさい

    @kasaibw

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 4

    かさい

    ☆quiet follow

    🍗🍭。エイプリルフールねたです。

    エイプリルフール「パーイセンっ。僕ちんの事、好き嫌い」

     アッシュがリビングのソファで寛いでいると、いきなり抱きついてきたビリーが問いかけてきた。

    「あ?なんだよ突然……。てか暑苦しいから離れろ。」
    「えぇ〜、折角二人きりなんだしちょっとくらい甘えたっていいじゃん。」

    恋人同士なんだし。

     そう言葉を続けると、向かい合う形で膝に座り、こちらの首に腕を絡めた。

     可愛く甘えてくる年下の恋人を言葉で諌めはするも、膝から降ろさず好きにさせていたが、先程の質問の意図に気付き思わず顔を顰めた。

     そう、今日は4月1日。
    エイプリルフールである。

     つまり嘘をついていい日に恋人がなんて答えるのか聞きたいのだろう。

    「むう、そんな面倒そうな顔しないでヨ。」
    「実際面倒だろうが......。」

     ビリーとしてはちょっとした興味本位の問いかけで、どちらの答えであっても楽しんでしまえるのだろう。

    「ねぇ、パイセン。 教えてよ。」
     しかしそう言って笑う余裕そうな顔を崩してやりたくなり、期待通りに答えてやることにした。

     アッシュは目の前の顔に指を添わし、するりと頬の輪郭をなぞった。

     ビリーはくすぐったそうに身をよじるが、気にせず続けた。

    「……そのうるさい位よく回る口も、」
    指が唇を掠める。

    「茶化す割に案外分かりやすい表情も、」
    その手が頬に優しく触れる。

    「そのゴーグルに隠れた目が熱っぽくこっちを見つめてくるのも……、好きじゃねぇ。」

     最後にゴーグルを外すと、そのままビリーの顔を引き寄せる。 思わずぎゅっと目を瞑った姿に微かに笑みをこぼすと、その瞼に口付けを落とした。

     好きじゃないと言った声は甘く、ビリーを見やる視線はどうしようもなく熱かっただろう。

     その証拠に目の前の顔はどこもかしこも真っ赤に染まっており、瞳は僅かに潤んでいた。

    「それでお前は?まさか俺だけに言わすつもりじゃないよな?」
    「……いや、こんなのズルいでショ……。」

     
    意地悪そうに笑う顔は明らかに楽しそうで、してやられたビリーは真っ赤な顔で少し眉をしかめる。

     目を泳がせ暫く意味のない声を溢すが、意を決してアッシュの方を向くと、普段よりもか細い声で答える。

    「………だいっきらい。」
    「はっ、光栄だな。」

     ビリーの答えに満足そうに返すとその唇に優しく口付けた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺❤❤❤😍💞💘💘💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    住めば都

    DONEあくねこ、ハナマル夢。ホーム会話ネタバレあり
    ハナマルと桃を半分こして食べる話です

    最後のところ、本当は、守りたい存在として重なるのに、向かう思いは子どもたちへのものとは少し違っていて、恋の芽吹きというか自覚というか、そういう感じにしたかったんですが、気づいたハナマルがその感情をどう扱のか、蓋をして見ないフリをするのか、大事に育てていくのか、私の中で解釈が殴りあって結論が出ませんでした……
    重ねて、分け合って 街で所用を済ませ屋敷に戻ったハナマルは、玄関でユーハンに呼び止められてぎくりと肩を揺らした。
     もっとも、なにか叱られるようなことをしでかした覚えがあるわけではなかった。今日はきちんと言いつけられた用件を果たしてきたし、賭場へ寄り道もしていない。
     だからこれは、条件反射のようなものだ。ハナマルは普段、同じ部屋で暮らすこの真面目な青年から、小言をもらってばかりいるので。
    「な、なんだよユーハン。今日はまだ、なにもしてねえぞ」
    「……これからなにかしでかすような物言いはやめてください。小言を言うために呼び止めたわけではないですよ」
    「あれ、そうなのか?」
     なにを言われるのかと構えていたハナマルは、ユーハンの応えに拍子抜けして首を傾げた。ユーハンは大仰にため息をつく。
    2355