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    7年前のイブのものなので薪さんが青木家を訪問する前のものになります。薪舞はまだ会ったことがありません。でもきっともう会ったことがある気になっちゃうくらいコウちゃんからマキさんのこと聞いてたよね(^◇^;)

    #薪にゃん
    Maki-nyan
    #秘密
    secrets
    #薪舞
    #メリークリスマス
    merryChristmas

    薪にゃんと一緒(舞ちゃんのクリスマス)パパとママへ

    きのうのよる、はやくサンタさんがこないかなぁってベッドのなかでドキドキしていたら、マイのところにちょっとかわったサンタさんがきました。
    サンタさん、ふつうにドアをコンコンってして、こんばんはっていってはいってきたんだよ。マイがおきてるってしってたのかな?

    サンタさんはあかいおぼうしにあかいおようふくをきておひげをはやしていたけど、おじいちゃんじゃないみたいでね、すごくきれいなサンタさんだったの。パパとママにもあわせてあげたかったなぁ。それからこーちゃんにも。こーちゃんはね、いつも「マキさん」のことをすごくきれいなひとなんだよっていうんだけど、きっとあのサンタさんは「マキさん」よりきれいだとおもうの。
    あとね、サンタさんのおしりには、しっぽがはえてるんだよ!すごいでしょう?
    「メリークリスマス!マイちゃん」
    サンタさんはにっこりわらいながらそういって、もってきたしろいおおきなふくろをおきました。こんなにおおきなふくろにはいっているんだからどんなにおおきなプレゼントかしら?そうおもったんだけど、サンタさんはそこからじゃなくて、おようふくのポケットからだしたちいさなはこを「はい、いいこのマイちゃんにプレゼントだよ」といってくれました。キラキラしたあかいちいさなはこで、きんいろのリボンがついていて、もったらちょっとだけおもくてびっくりしたよ。
    「あさになったらあけようね」
    ほんとうはすぐにあけてみたかったけど、サンタさんにそういわれちゃったからがまんすることにしました。もちろん、ちゃんとありがとうっていったよ。いつもはねているうちにきちゃうサンタさんにはあえないから、ありがとうがいえてうれしかったです。
    サンタさんってとってもいそがしいとおもってたんだけど、そのサンタさんはマイのおうちにしかこないサンタさんなんだって。それで、ちょっとおはなしをしようか、っていうと、ベッドのよこにすわってこっちをニコニコしながらみていました。なにかいいことがあったのかな?
    おはなしをしていいっていわれたから、マイは、きになったことをきいてみることにしました。きになったらはずかしがらずになんでもきくといいよってこーちゃんがいっていたから。
    「ねえサンタさん、どうしてプレゼント、ふくろにいれてこないの?」
    すごくおもそうなふくろなのに、からっぽなの?
    「ああこれ?これはね、だみーだから」
    「だみーってなあに?」
    「もぞうひんっていういみだよ」
    もぞう?ちっともよくわからなかったけど、おおきくなったらわかるからね、とサンタさんがいうので、マイはきくのをやめてべつのしつもんをすることにしました。
    「サンタさん、どうしてサンタさんにはネコみたいなしっぽがはえてるの?」
    「それはぼくがねこみみしっぽつきのいきりょうサンタだからだよ」
    「いきりょうサンタ?」
    「そう。マイちゃんだけにみえるスペシャルなサンタってこと。スペシャルはわかる?」
    うん、それならわかる。とくべつってことでしょ?
    「マイにしかみえないの?」
    「うん、ぼくはマイちゃんのためだけのとくべつなサンタさんだから」
    ふぅん。とくべつって、ちょっとワクワクするね。マイだけのサンタさんなんだったら、やっぱりあのおおきなふくろにはなんにもはいっていないのかな?へんなサンタさん。
    「ほんとにマイのおともだちのおうちなんかはいかないの?」
    きいてみると、サンタさんはうん、とうなずきました。
    「そっちはほんしょくのサンタさんがまわるからいいんだ。あ、でもあおき──いや、こーちゃんのところにはあとでおじゃまするけどね」
    サンタさんはごにょごにょとはずかしそうにこーちゃんのはなしをしました。サンタさん、こーちゃんのことしってるんだ。おともだちなの?
    「うん、まぁね。マイちゃんはあお…こーちゃんのことがすき?」
    「うん、だいすきだよ」
    「ぼくもだいすきなんだ。いっしょだね」
    「ほんと!?じゃあサンタさん、こーちゃんのおよめさんになってあげて!サンタさんみたいなきれーなおよめさんなら、きっとこーちゃんもすごくよろこぶとおもうの」
    「え…っ」
    すごくいいかんがえだとおもったんだけど、サンタさんはちょっとびっくりしたみたいでした。
    「いや…でも、ぼくはおとこだから。およめさんはむりかな」
    「どうして?さいきんはおとこのひとどうしでもけっこんするひともいるんだよ」
    「…………マイちゃん、すすんでるんだね」
    サンタさんはこまったようにわらって、こーちゃんのおよめさんにはマイちゃんがなってあげるといいよ、といいました。
    「それはだめなの。こーちゃんとマイは『ちちおや』と『むすめ』みたいなものだからけっこんはできないのよ?」
    「…………やっぱりすすんでるねマイちゃん」
    アハハ、とサンタさんはわらっていました。ほんとうなんだから。おばあちゃんがいってたもの。
    「それにね、マイがけっこんするひとはもうきめてるの」
    「えっ、そうなの?だれ?…ま、まさかやっちゃんじゃないよね」
    サンタさんやっちゃんもしってるの?
    「あ、うん…その、サンタさんはえらいからね。やっちゃんはぼくのいうことはなんでもきかなきゃいけないだ」
    やっちゃんのおしごとってサンタさんのおてつだいだったんだ?すごい!
    「でもざんねんでした!やっちゃんはちがうよ?やっちゃんはマイがおおきくなったらもうおじいちゃんだからけっこんできないんだって、こーちゃんがいってたの」
    「そ、そう…。おか…いや、やっちゃんかわいそうだね、おじいちゃんか…。じゃあマイちゃんはだれとけっこんするのかな?サンタさんにおしえてくれる?」
    うーん。どうしようかな。だってこれはマイのひみつなんだもの。まだだれにもいってないの。
    「でも、サンタさんならいいかな。そのかわり、ぜったいだれにもひみつだからね」
    「うん、サンタさんはひみつをまもるのがおしごとだから、だれにもいわないよ。やくそくする」
    サンタさんがしっかりやくそくしてくれたから、それからマイはとっておきのひみつをおしえてあげました。


    じゃあ、おしえてあげる。マイはね、「マキさん」とけっこんするの。「マキさん」はね、こーちゃんがだいすきなひとなんだよ?こーちゃん、「マキさん」のおはなしをするときはすごくうれしそうにわらってるの。たまにしかられるときもあるみたいだけど、ないたりしないでがんばってるんだよ。そうしたらつぎはほめてもらえるかもしれないもんね。
    それからね、「マキさん」はおこりんぼうだけど、ほんとはとってもやさしいんだって。
    そんなにやさしいひとなのに、「マキさん」にはこーちゃんにマイがいるみたいに、「かぞく」がいないの。だからこーちゃんは、「マキさん」といつか、かぞくになれるといいんだけどなぁっていつもいってる。とおくにいる「マキさん」がさびしくないか、とてもしんぱいなんだって。そのおはなしをするときのこーちゃんはすこしだけさびしそうだからかわいそう。
    「マキさん」はおしごとがだいすきでとってもいそがしいから、おくさんになりたいひとがいてもだれもけっこんできないんじゃないかっておばあちゃんがいってた。けっこんできてもおしごとばっかりなひとじゃあさびしいでしょうって。でもね、マイは「マキさん」がいくらおしごとでいそがしくてもさびしいなんておもわないよ。だってこーちゃんもとってもおしごといそがしいけど、さびしいなんておもったことないもの。
    だから、「まきさん」のおよめさんにはマイがなってあげるんだ。そうしたらこーちゃんも「まきさん」がかぞくになってあんしんだし、「マキさん」もさびしくないでしょ?マイはね、まだ「マキさん」にあったことはないんだけど、きっとだいすきになるじしんがあるの。こーちゃんがすきなひととまいがすきなひとはいっしょだから、こーちゃんがだいすきひとならマイもだいすきになるってきまってるものね。



    サンタさんはだまってマイのおはなしをきいていてくれました。サンタさんがひみつのおはなしがおわってもだまったままでじいっとしているから、マイはおしまいだよ、っておしえてあげました。それから、ないしょのやくそくでゆびきりをしてっておねがいしました。でもね、サンタさんってばおかしいの。ゆびきりっていったのに、マイのことぎゅーってしたんだよ。ゆびきり、しらなかったのかな。
    サンタさんはマイのことをぎゅーってしながら、ありがとう、マイちゃんはやさしいねっていいました。おそとをずっとソリにのってはしってきたからなのかな?サンタさんはちょっとふるえていているみたいだったから、マイもサンタさんのことぎゅーってしてあげたの。こーちゃんとそうすると、いつもとってもあったかいから。



    あさになってリビングにいったら、ツリーのしたにサンタさんからのおおきなプレゼントがおいていました。マイがほしかったミシンのおもちゃだったから、きっとこっちはいつものサンタさんね。マイがよるにきてくれたきれいなサンタさんのおはなしをすると、こーちゃんはすごくびっくりしたかおをしていました。それから、しっぽがあったの?ほんとに?みみは?ほんとにあったの?ってなんかいもききました。だからマイはサンタさんからもらったちいさいプレゼントをみせてあげることにしました。リボンをとってはこをあけたら、なかからガラスだまのおおきなのがでてきました。それはね、ひっくりかえしてもとにもどすと、なかにキラキラひかるゆきがふるんだよ。ガラスのなかにはちいさいまちがはいっていて、おおきなもんみたいなのがたっていました。こーちゃんは「パリだね」っていってなんだかうれしそうにわらっていました。それからそのガラスだまは「すのーどーむ」っていうんだって。マイはそれがとてもきにいりました。


    サンタさん、またらいねんもきてくれるかな?
    じゃあ、またね。

    マイより。
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    kouyamaki

    DONEpixivに上げた「青木の選択」シリーズの続き。
    #9「悪計」

    悪戯の後、薪さんと青木がくっつくまでの話。他のシリーズとは別軸の2人です。

    福岡の土地勘無しで色々フィクションで書いています。おかしな点が多々あると思います。お目こぼし頂ければ幸いです。

    この話では季節はまだ冬です。

    このシリーズはあと1~2回で完結の予定です。お付き合い頂ければ幸いです。
    #9「悪計」 青木はクリスマス時期に取った休みを、予定通り消化しきれなかった。
     例年12月下旬に固まる予算案の決定がずれ込み、年越しとなった。来年度中は諦めていた分の研究計画予算をどさくさに紛れて計上すべく、青木は休みを切り上げて霞が関へ向かった。
     ここにきて、新しい省庁の設置が見込まれている。そこに新たな権益を確保すべく、警察庁もこどもに関する行政に急に積極的な姿勢を見せている。
     利用できるものは利用する。
     警察官僚出身の政治家へのレクチャーは、秋にミドリのもとを訪れた件の児童精神科医が協力してくれた。彼の計画への参画もほぼ確実となった。
     立場上、青木はミドリやつばき園の子供達には直接何もできない。せめてできるのは、子供達のその後を長期に渡って追う、この新たな研究計画を軌道に乗せることだ。
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