腕「――眠ったと思ってもすぐに起きるんだ。こんなにずっと泣くなんて知らなかったよ。腕がもっと必要だと思った。父さんみたいに」
「お前も赤子の時はさんざん泣いたな。残念だが、六本あっても足りなかったぞ。そりゃあ、大変だった」
「そうなの?覚えてないよ」
「そうだろうなあ。こんなに小さかったからな。魔物たちとみんなで、寄ってたかって世話をしたものだよ」
横に座った父は、顎の骨をかつかつと鳴らして笑う。ああ、子どものときと同じ、あの懐かしい声だ。何度も話しかけるたびに笑って「そうか」と聞いてくれた、優しい声。話していると、幼い時のような喋り方になってしまうのが自分でもおかしかった。
まだ話したいことがたくさんあった気がする。ここに来るまでに、長い、長い時間が経ってしまったから。
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