Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    ムーンストーン

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 40

    ムーンストーン

    ☆quiet follow

    アルキード王国滅亡の日にまつわるオムニバス。夢から覚めた日
    十一年前に物心ついていた年齢の人はこの大事件を覚えているでしょう。

    #ダイの大冒険
    daiNoDaiboken
    #ポップ
    pop
    #ダイ
    die
    #ヒュンケル
    hewlett-packard
    #ラーハルト
    rahalto.
    #アバン#メルル

    始まりの終わりの日ポップ〜楽園追放

    あの日か、覚えてるよ。

    物心ついた時っていうか、ちゃんと覚えてる一番小さい時の記憶さ。

    丁度その時は、届け物をしにいった母さんの後を少し離れて追いかけてたんだ。
    村の広場の真ん中位にいたんだけど、背中に氷を突っ込まるたみたいな感じ…今思うと超強力なオーラを感じて立ち止まった。

    すぐ後にチカッと空の低い所が光って、その光が凄い勢いで空の端から端まで真っ白に広がった。

    次の瞬間最初に光った所から見たことのない白い雲が空の天辺まで上がっていった。
    雲の先っちょがキノコの笠みたいにまるまったな、と思ったら後ろに向って吹っ飛ばされたんだ。
    子どもの体は軽いから何度も転がってやっと止まって、それから聞いたこともない轟音が響いて。
    地震か、衝撃波なのかわからないけど地面も空気もビリビリ震えて、脈打つように揺さぶられながら土に爪を立てて堪えた。
    砂混じりの風が吹きつけるから目も開けられないし口の中もジャリジャリになって。
    やっと風と地面の揺れがおさまった後、静かになったのを覚えてる。実際地響きよりこの無音の方が怖かった。
    さっきまで鳥の鳴き声や広場を行き交う人の足音がしていたのに、何も聞こえない。
    世界に俺一人しかいないみたいに。
    何かわからないけどとんでもない事が起きたって判った。
    しばらく這いつくばってた俺を、母さんがみつけてくれたからやっと泣けたっけ。
    その夜、一人で寝ている時に唐突に「誰もがいつか死ぬんだ」って考えが頭から離れなくなって母さんたちにしがみついてわんわん泣いたんだ。
    そうしたら母さんが私達は誰でも死ぬ。だから一生懸命生きるんだ、っていってくれた。

    だから、俺は迷っても苦しんでも、たとえ全力をだしても爪も引っかからない差がある相手でも喰らいついて立ち向かってやる。

    あの日、母さんと父さんがいて永遠に幸せでいられると思い込んでいた幼い楽園から、天を引き裂く光が俺を追放したんだから。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 リア連載時から疑問だったバルトスの敵討ちについて書き連ねました。
    以下バルトスファンとヒュンケルファンには申し訳ない話しが続きますが個人の感想なのでお許し下さい。

    ハドラー(造物主)のから信頼より子への愛情を取って責任追及された事をメッセージに残す=ハドラーへ遺恨を残すことになりませんかとか魔物と人間とは騎士道精神は共通なのねとか。
    ダイ大世界は生みの親〈〈〈育ての親なのかも。
    20.審判(ヒュンケル/ランカークス村)〜勇者来来「勇者が来るぞ」
    「勇者に拐われるから魔城の外に出てはならんぞ」
    懐かしい仲間たちと父の声が地底魔城の地下深く、より安全な階層に設えられた子ども部屋に木霊する。
    この世に生をうけ二十年余りの人生で最も満ち足りていた日々。
    ヒュンケルがまだ子どもでいられた時代の思い出だ。


    「暗くなる前に帰んなさい!夜になると魔物がくるよ!」
    黄昏に急かされるようにランカークス村のポップの家へ急いでいた時、ふいに聞こえてきた母親らしい女の声と子供の甘え混じりの悲鳴を聞いてヒュンケルとダイは足を止めた。

    ヒュンケルが声の主はと先を覗うと見当に違わず若い母親と4〜5才の男の子が寄り添っていた。
    半ば開いた扉から暖かな光が漏れ夕食ができているのだろうシチューの旨そうな匂いが漂う。
    2661

    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 ナバラによるアルキード滅亡の日の回想です。
    テランの人口が急減した理由の一つに理不尽すぎる神罰があったのではないかと思います。
    あの世界の殆どの人は結局アルキードが何故滅びなければならなかったのか知らないままだから神の力の理不尽さに信仰が揺らいだ人も多いと思います。
    夢から覚めた日〜ナバラ「あの日」のテランは雲一つない穏やかな陽気だった。

    暑くもなく寒くもなく、洗濯日和と言わんばかりの優しい風が吹きすぎる。
    そんなうららかな日だというのに何時にないむずがりかたをするメルルにナバラは朝から手を焼いていた。

    「いつもお利口さんなのに今日はご機嫌ななめだねぇ」
    女所帯のナバラ達を気にかけて何かと助けてくれる近所の若者、ドノバンがあやしてくれたが更に大声で泣いてメルルは家の中に駆け込んでしまった。 
    「全くだよ。せっかく忙しいお兄さんが遊んでくれたのに」
    悪いねぇと詫びるナバラに、たまにはそんなこともありますよと気の良い笑顔を向け、若者は花と香炉の入った籠を取り上げ竜の礼拝所へ朝の礼拝に向かった。

    「全く信心深い子だよ。テラン人の中でも朝晩欠かさず竜の神殿に詣でるなんてあの子位だ」
    2604

    related works

    asamag108

    MAIKING魔界旅中のダ様とラー。CPではない、と思っている。
    話にあんまり絡んでないけどダインさんも一緒に旅してる。
    「ラーハルト、これ読める?」
    魔界の旅の途中、主君に差し出されたものは手書きのメモであるようだった。
    魔物ばかりの島で育った主君――ダイが読み書きを苦手としていることは聞き知っている。本人曰く、勉強して簡単な本くらいなら読めるようになったということだったが、何か彼の知らない難しい言葉でも出てきたのだろうか。
    そう思ってメモを受け取り、ラーハルトは眉を寄せた。
    一文字目から、ラーハルトにも見慣れない字が連なっていた。
    全体を眺めればいくつかは知っている文字が現れて、それが魔族の文字で書かれたものだということに気付く。
    一体どこでこんなものを、と思うと同時、その思考を読んだようなタイミングでダイが口を開いた。
    「旅に出る前にヒュンケルから『魔界で役に立つかもしれない情報を纏めておいた』って渡されたんだ。もしも落としたりした時に面倒があるといけないから魔族の文字で書いたって言われたんだけど……おれ、人間の字はちょっと読めるようになったけど、魔族の文字なんて全然分かんなくて。さっきクロコダインに聞いてみたけど、読めないって困った顔されちゃったんだ」
    2370